三方分山(さんぽうぶんざん)
Date:11月27日
都道府県:山梨県
標高:1422M
5.5㎞ / 608M
三方分山は、御坂山系の一角に佇む標高1422㍍の山です。御坂山塊の主脈西端に位置し、「八坂・精進・古関」の三村を境にしていたことから、三方分山の名が設けられたと考えられています。登山道の中途には国中と富士北麓、そして駿河を結んだ「中道往還」を含む「女坂峠」(安難坂)が存在し、かつての経済・軍事を繋ぐ重要なルートであったことが窺えます。
一方で、この三方分山はそこまで人気の高い山ではないため、登山者も多くなく、ゆっくり楽しめる山の一つです。
登山は冬に限る
まず登山道に至るには、精進湖横の「旧中道往還」を通り抜けていきます。昔からの家が立ち並び、歴史を感じさせます。
ちょろちょろと流れる小さな川を丸太橋で幾度か渡り、「女坂峠」に向かい徐々に標高をあげていきます。鬱蒼とした針葉樹林を進んでいくとやがて「女坂峠」に至ります。
この女坂峠直下からは、これから登る三方分山の山頂が木々の隙間に見えます。
(三方分山・山頂)
そして女坂峠から山頂までは、ほとんど尾根道となります。この尾根は強風が吹きつけ、体感温度を一気に下げていきます。また、所々に両側が切り落ちた箇所があるため、注意しながら進んでいきます。
この時期特有の寒樹も大変美しいです。
やがて岩と土の登山道は笹の道へと変化していきます。振り返ると王岳が見えます。
(王岳?)
そして、歩き続けているうちに、山頂へと達します。山頂からの眺望はパノラマではありませんが、周囲に高い山があまりないため、高度感を感じます。
続いて、尾根道を更に進むと精進山頂へと至ります。このテープだけが標識としてギリギリ機能していました。
そして精進山を経て、大きく下っていくと、この登山におけるハイライトとも呼ぶべき一大パノラマが広がっています。精進湖を手前に、雄大な荒野が裾野まで拡がり、冬姿となった富士は本当に力強かったです。
やはり冬は空気が乾燥しているため、山々の細部までをも感じ取ることができます。
大きな危険箇所もなく、素晴らしい景色を魅せてくれた三方分山。距離も長くなく、大変に秀逸な山でした。
一方で、距離の割に標高差は600Mを超えていますので、ご自身の体力を考慮したうえで、是非足を運んでみてほしい山の一つです。
参考:「山梨百名山グレーディング表」やまなし観光推進機構
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