山梨の山野草・高山植物

6【山梨百名山・日本百名山】金峰山

 

金峰山麓全容図

 

金峰山(きんぷさん)

 

Date:9月23日
都道府県:山梨県・長野県
標高:2,599M
8.3㎞ / 578M

山梨県と長野県の境に位置する奥秩父山麓には、国師ヶ岳、奥千丈岳、甲武信ヶ岳などが連なります。そんな名山の連なりの中で、最も人気が高く、認知度が高いのがこの金峰山です。一般的には、この山を指して「奥秩父の盟主」と呼称しますが、名実共に山梨を代表する名山です。

その歴史は古く、富士山や乾徳山と並び、金峰山信仰があります。かつては修験道の開祖「役小角」(えんのおづぬ)により、奈良県吉野の金峰山より蔵王権現(ざおうごんげん:日本独自の山嶽仏教である修験道の本尊)の分霊を迎えました。そのことから、山頂には金櫻神社の本宮(=五丈石)があり、考古遺跡の採集が報告されています。また、平安時代からの出土品もあり、相当歴史が深いことが窺えます。

五丈石の一部。正面に鳥居がある。

 

名峰中の名峰

この山の標高は、およそ2,599Mで、高山登山の魅力と景色の美しさの双方を兼ね備えた秀逸すぎる山です。故に、山梨の山の中でも一、二位を争う人気の山で、登山者もかなり多い山です。車で行ける、日本で最も高い峠「大弛峠」(おおだるみとうげ)から朝日岳、鉄山を経由して金峰山頂に向かいます。

標高が高いが故に、朝のうちはほとんど靄がかかり、8月でも最高気温は18℃ほどです。

金峰山の朝

靄の取れた朝。雲海が美しい。

どのシーズンでも寒いと感じる気温ですが、それ故に張り詰めた空気が鼻孔を通り抜ける瞬間がとても気持ちが良いです。

朝陽が出てくる瞬間

朝陽を迎えてからは、気温の上昇と共に、周囲の景色が明瞭になり、それまで見えていなかった景色が目に焼き付くようになりました。そして経由地の朝日岳を超えると出てくるのは、苔むした岩と、森林限界を超えた圧倒的な風景です。

至る所に苔が点在

ナナカマドの実

そして、山頂が近くなるにつれ、自分が今まで歩いてきた森を見渡すことができ、眼前には巨大な五丈石が待ち構えています。

これまで歩いてきた稜線

登山道から望む五丈石

既に進んだ紅葉

また、先述した通り、気温がかなり低いことによって、9月中盤でも山頂付近の紅葉が進み、空の青に映える鮮やかな色の木々が美しいです。

雲は遥か下

そして山頂に至ると、息をのむほど想像以上に遥かに大きな五丈石が迎えてくれます。ネットや書籍で知った”大きさ”を上回る、雄大で力強い景色です。やはり自分の足で辿り着いたその末に得た景色は、現実以外のなにものでもなく、そのことを以てして、僕はその景色や迫力を”知った”ことになると思います。

僕と比較すれば、岩の巨大さが分かる。

言うまでもなく、まるでパノラマの如く周囲365°を見渡せ、眼下には瑞牆山、そして八ヶ岳連嶺の連なりが見えます。

奥に八ヶ岳、手前に瑞牆山

まさに「別世界」と表現するに相応しい、見事な光景が眼下に広がり、本当に来てよかったと心から思える山の一つでした。

この山は、人気・知名度ともに本当に高い山ですが、その情報に劣ることのない圧倒的な現実感を得られる素晴らしい山です。まだ登ったことのない方は、是非ともチャレンジしてほしい山です。

 

1【山梨百名山】茅ヶ岳

2【山梨百名山・日本百名山】大菩薩嶺

 

3【山梨百名山】乾徳山

4【山梨百名山】大栃山

5【山梨百名山・日本百名山】瑞牆山


参考:「山梨百名山グレーディング表」やまなし観光推進機構
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