Bonsai & Plants

どんぐりから自分だけの豆盆栽を作ろう

朝晩の気温は下がり、新鮮な空気を吸い込むと「秋だな」という感じがしますね。

さて、本日は誰もが知っている「どんぐり」を利用して、豆盆栽やミニ盆栽を仕立てる方法をお伝えしていきます。門外不出の仕立て方、是非参考にしてみてください。

 

どんぐりから盆栽はできるか

どんぐり採種~播種

新芽~直根切り・芽摘み

 

どんぐりから盆栽はできるか


誰もが知っている「どんぐり」。秋になると公園などをはじめとして、あらゆる場所でみかけるものです。

どんぐり(引用:こどもの国

多くの人がどんぐりそのものは知ってはいるものの、これらが「植木」や「盆栽」などの、鑑賞するための鉢植えになることを知りません。しかし、実際には「どんぐり盆栽」、つまりコナラやミズナラ、カシ、シイなどの植物は盆栽にすることが出来ます。葉物盆栽としては意外にもスタンダードなもので、ちょっとした作業を行うだけで、全ての人が簡単に仕立てることが出来るのです。

コナラ(ドングリ)盆栽(引用:e-bonsai

実生(種から育てるもの)からしっかりとした盆栽にするのは、やはり時間がかかるものですが、どんぐりの場合は”胚珠が大きい”ために、比較的早く形になるのが特徴的です。

 

どんぐり採種~播種


⑴どんぐりを拾う

まず、どんぐりを拾ってきます。どんぐりは本当に多くの種類がありますので、事前に調べるか、図鑑などでチェックしておくのも良いでしょう。

ひろった・あつめたぼくのドングリ図鑑(引用:Amazon

※保安林などでは採種が禁止されている他、公園などでも禁止されている場所があります。事前に調べたうえで採種してください。

 

⑵どんぐりを浸水させる

そして拾ってきたどんぐりは水で軽く洗い、そのまま浸水させます。浸水の目的は、虫食いなどにより発芽能力を失ったどんぐりを見分けるためです。この時点で沈んだものは発芽能力あり浮いてきたものは発芽能力なしと判断してください。

 

⑶どんぐりを埋める

そして沈んだどんぐりのみを、赤玉土や腐葉土、培養土などに蒔きます。実際、蒔く土にはこだわる必要はなく、安価なものでもなんでもかまいません。蒔く鉢はプラスティックの鉢でも良いですし、土鉢や発泡スチロールなどでも十分です。

蒔くタイミングが秋のものを「秋蒔き」、春のものを「春蒔き」と呼びます。一般的な植物は秋蒔きが推奨されていますが、どんぐりに関しては、どちらでもかまいません。「秋蒔き」の場合は、次の年の春まで乾燥しない程度に水やりを続けます。

 

⑷どんぐりから発芽

種(どんぐり)を蒔いた後、春になるとどんぐりが発芽してきます。5月頃になりますと本葉が出揃い、根もある程度伸びた状態となります。そして、この段階でいよいよ盆栽に仕立てるための直根切りを行います。

 

新芽~直根切り・芽摘み


春(3月後半~4月頃)に新芽が出てきて、5月になると本葉が出揃います。この状態になると、新梢(新しい枝)はツンと伸び、このまま放っておくと、頂芽優勢(※)という性質を利用し、枝は上へ伸び、葉は拡大していきます。(※頂芽優勢:最も先の芽や葉がぐんと強く伸びていく性質)

何もしていない新芽と根の構造

しかし、あくまでも盆栽として仕立てていくためには「直根切り」「芽摘み」を必ず行います。

直根切り

この上図のように直根・新梢を両方ともカットし、上に伸びる力を一旦抑制させます。すると、植物の防衛本能的に二番芽が必ず出てきます。そしてこの二番芽を活用し、より腰の低い樹形を創造していきます。また、この二番芽もどんどん上へと伸びていきます。そして葉が大きくなった段階で、芽摘みと葉切りを繰り返し行います。

落葉後には、再び全体の樹形を整える程度に切り戻し剪定を行い、来年の春の新葉の展開に備えます。

更に注意したいのは「大きな鉢に入れない」ということです。大きな鉢に入れてしまうと、葉も枝も拡大化してしまい、根も強く伸びていきます。根を強く伸ばせば、それだけ上部(葉や枝)も暴れてしまいますので、可能な限り小さな鉢に入れてあげてください。

 

ドングリ系の樹種(シイ・カシ・ナラ等)は大変丈夫なものが多く、病害虫にも強い傾向があります。是非ともドングリから自分だけの盆栽を仕立ててみてはいかがでしょうか。

 


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