恐ろしい早さで梅雨が明けた2022年の夏。一日のうちに無意識に「暑い」と言ってしまう夏。冬は着ればいいけれど、夏はさすがに肌を剥げないので、僕はこの季節が大嫌いです。
夏サイコーという方々も中にはいますが、おおよその人間にとって、夏は忌まわしいものです。そして、それは「植物」にとっても同じことと言えます。本日は、そんな植物たちの夏の管理について書いていきたいと思います。
①葉焼けに要注意
②水切れに注意
③「ジメジメ」に注意
①葉焼けに要注意
まず、このシーズン(7月~9月)までの期間で最も注意しなければならないのが「乾燥」です、と言いたいところですが、実は最も注意したいのが「葉焼け」です。
葉焼けしたパキラ・グラブラ
葉焼けとは…
・強い西日が当たることによって、植物の葉緑体が破壊され、やがて枯死すること
を指します。葉緑体が破壊されるということは、その部分の光合成を行うことができないということです。植物にとっての日光は、生育をする上で欠かせないものの一つなのですが、この暑い時期は日当りよりも葉焼け対策を優先させることが重要です。
最も容易な対策の一つとしては、やはり
・植物を西日に当てない
ことに尽きます。モミジやケヤキなどの葉物樹種は、秋の紅葉を楽しむものです。秋になる前に、既に葉がチリチリということにならないように、西日に当てるのは絶対にやめてください。また、理想としては午前中の陽が当たり、西日に当たらない場所が良いですが、この暑い時期だけは、半日陰で管理しても問題ありません。
また観葉植物やコーデックスなどにおいても、直射日光を好むもの、半日陰を好むもの、その生態によって様々な差異があります。しかしながら、西日を得意とする植物は基本的にないと考えて、対策をとってください。
②水切れに注意
次に注意したいのは「水切れ」です。植物は絶えず「蒸散活動」を行うことによって、根から水分・養分を吸い上げています。当然、水分・養分を貯えた土が乾燥してしまえば、植物は必要な水分・養分を吸収することができなくなってしまいます。
この時期の植物の用土の乾燥スピードは、本当に異常で、朝に水をあげても昼には用土がカラカラということもあります。その為、最低でも
・朝晩の水やり
を怠ることのないように注意します。昼間の水やりは、その後水が温められることによって、植物にダメージを与えてしまうので注意が必要です。また鉢や表土のみならず、葉水(葉っぱに水をかけてあげること)は鉢の温度を下げる効果もありますので、大変有効です。
一方で春以降、肥料を施肥している方もおられるかと思いますが、一般的に30℃を超えてくると、植物の生育はやや低下します。その為施肥を一旦ストップし、液肥などの薄目の肥料に切り替えるのも手です。
また、水やりは必ず「ジョウロ」で行うようにしてください。盆栽においては「水やり三年」などと言われますが、実は難しいのがこの「水やり」です。詳しくは後日詳述します。
③「ジメジメ」に注意
私達人間が生きる社会でも「ジメジメ」は不快なものです。それは植物にとっても同じ事で、特に気温が高くなるこのシーズンは、風通しが悪くなり様々な悪性生物・植物の住処になってしまいます。
ゼニゴケ(引用:住友化学園芸)
これらの苔類は、まだ最初のうちは良いものの、根元の陽当りを遮り、更には冬になってから植物にとって致命的なダメージを与えることがあります。何よりも、風通しを良くすることが重要です。
また、通常の盆栽における苔は見た目を良くする効果もあり、樹木そのものと共生する素晴らしい友人です。しかし、真夏に風通しが悪くなり、蒸れてしまうと、病害虫を媒介することもありますので、状況に応じて苔を取ることも重要です。
なおOMOTE TO URAでは7月1日~8月末まで植物の配送を停止しております。詳細はこちらをご確認ください。