Bonsai & Plants

水やり3年?これを読めば10分で済みます。

せっかくお金を出して購入した盆栽が、枯死してしまう、という事態はどうしても避けなければなりません。一方で「これだけ気を付けておけば、とりあえず植物が生き続けられる」ものの一つに「水やり」(=灌水:かんすい)があります。

灌水さえきちんと行っていれば、植物が枯れてしまうことはほとんどない、と言い換えてもいいかもしれません。本日はそんな「灌水」について、細かく書いていきたいと思います。

 

①盆栽の環境を考慮する

②基本の灌水

③真夏の灌水

④真冬の灌水

 

①盆栽の環境を考慮する


自然に自生する植物の全ては、誰かが人為的に水をあげていなくても育つことができます。それは「根」を地中深くまで伸ばし、土の表面が乾燥しているように見えても、地中深くの土が水分を十分に蓄えているからです。

しかし「鉢」という体積が予め決められたもの、つまり「盆栽」においては、人為的に水分を根に与えてあげなければ、植物は光合成を行うことが出来ず、枯死してしまいます。

これが盆栽における灌水の「前提」となるものです。また、観葉植物とは違い、明確な美の基準の基に構成される盆栽は「古さ」(=古木感)を出すことが求められますので、植物そのものに対する鉢のサイズが極めて小さいのも、考慮されるべきことです。

 

②基本の灌水


乾いたらたっぷり

あらゆる植物の灌水方法でよく書かれる文言が、この「乾いたらたっぷり」です。しかし、この文言はあまりにも抽象的で、「たっぷり」がどのくらいの量を顕しているのかも分かりません。ですから、これに言葉を継ぎ足して分かりやすくしてみます。

「土の表面の色が変わったら、鉢底から水が流れ出るまで」

これが盆栽における灌水の基本です。また鉢底から水が出た後も、二、三回と同じように水を与えます。葉よりも根元に水を与えることを意識して行います。故に、盆栽の管理は室内では難しい(灌水後の水の処理に困る)面もあります。

観葉植物の葉水(※)などで行う「霧吹きでシュシュッと」などでは到底水が足りません灌水の目的は、土中と根に水を与えてあげることですから、霧吹きなどで表土だけを濡らすのはほとんど無意味です。※葉水:葉に水を与えること

 

道具

灌水に使用するのは、一にも二にも「目の細かいジョウロ」です。これは絶対に必要なものの代表で、ノズル付きでシャワーのように散水されるものを選んでください。

ジョウロ OK(引用:Amazon

ジョウロ NG(引用:Amazon

こういったノズルがないものや、ダイレクトに水を与えてしまうものは、用土を拡散させる原因になるので利用しないようにしてください。

また、所持する盆栽の数が多く、真夏で乾きやすい状態の時は「自動灌水装置」などを利用するのも手です。

 

灌水のタイミング

灌水のタイミングは「朝」です。これは植物が光合成をスタートする時間に合わせてあげる為です。

真夏の昼に灌水すれば、水が日光により温められて、熱湯をあげているのと変わりませんし、冬の昼~夕方に灌水すれば、蒸発しきらなかった水分が鉢の中で凍ってしまいます。いずれにしても「朝」を中心に灌水を済ませてあげましょう。朝の空気を人間も吸い込めますから、一石二鳥です。

 

③真夏の灌水


年間を通して悩ましいのは、圧倒的に真夏の灌水です。

このシーズンは、最低でも朝夕2回の灌水が必要不可欠で、本当に暑い日などは「一時間前に水をあげたばかりなのに、もう用土がカラカラ」なんてこともあります。その為、葉焼けを防ぐ意味合いも込めて、半日陰(明るい日陰)に植物たちを移してあげるのがベターです。

仕事などが忙しく、朝夕の2回も灌水できないという方は、「腰水」を利用しましょう。

腰水

「腰水」とは、トレイなどの容器に水を張り、夕方まで浸けておく管理方法です。

時間をかけて鉢底から水が用土へ移行していきますので、朝1回のみの水やりで済みます。理想的なのは、夕方にかけてトレイの水分がなくなっていくことです。別名を「ドブ浸け」とも呼びます。

ただしこの腰水を行うにあたり気を付けたいのは、日陰に置くということです。直射日光下だと、水が温められ、植物にとっては大きなダメージとなります。

 

④真冬の灌水


真冬の灌水で注意すべきことは、「松柏と雑木の違い」です。

一般的に、

・松柏類(松・杉など)は常緑樹
・雑木類(欅・楓など)は落葉樹

とされます。そのため冬季の落葉樹は活動を停止し、根だけを動かしている状態です。一方常緑樹は葉がありますので、光合成を続け、活動を行っています。

落葉樹である雑木の灌水は3~5日に1回
表土が乾いて1,2日後

常緑樹である松柏の灌水は3日に一回
表土が乾いてからすぐ

を基本とした灌水スケジュールで行ってください。

ただし、ミニ盆栽や豆盆栽などの小さなものは、これよりも乾きが早くなるため、樹の様子を見ながら灌水をします

また、樹種によっては水を好むものや反対に過湿を嫌うもの等、様々な特性がありますので、それらに沿った灌水で樹木の健康を守ってあげてください。

 

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