山梨の山野草・高山植物

春の花、続々と

3月終盤になり、気温もあがり春の花々が咲き出してきました。

まず確認したのは早咲瓢箪木(ハヤザキヒョウタンボク)です。

早咲瓢箪木(ハヤザキヒョウタンボク)
Anemone raddeana
環境省RDB:ー
山梨県RDB:絶滅危惧lB類

ハヤザキヒョウタンボクは、福島・群馬・茨城・埼玉・東京・山梨県のみに自生する、氷河期遺存種(氷河期から残っている動物種)の一種です。いずれの都県でも、絶滅危惧種に指定されており、個体数も多くはありません。

山梨県内のハヤザキヒョウタンボクは里山~亜高山帯の林縁などに生育し、絶滅危惧lB類に指定されています。

 

また、カタクリやイカリソウなど春の花も続々と咲き始めています。

片栗(カタクリ)
Erythronium japonicum

このカタクリは、まだ蕾の状態が多いように見受けられましたが、4月の頭には満開になるように思われます。

カタクリの生活史はなかなか特殊で、スプリング・エフェメラルの一種として広く知られてはいますが、花を咲かせるまでには凡そ7~10年ほどかかります。春の妖精と謂われる所以は、この時期だけ葉を地上に出し、光合成を行うからです。つまりは、この短期間のあいだに1年分の養分を光合成によって貯蓄する植物なのです。

また、分布域の拡大には種子散布が欠かせませんが、これにはアリの力を借りていると考えられています。種子にはアリの好むエライオソームという物質が付着しており、アリはこれを貰う代わりに自動的に種子を散布しています。これはスミレなどの植物にもいえることです。

 

錨草(イカリソウ)
Epimedium grandiflorum var. thunbergianum

また、イカリソウも咲き始めています。まだ蕾の状態がほとんどですが、カタクリと同じく4月頭には満開になることでしょう。

その他、樹木に咲く花が咲いていました。

満作(マンサク)

三椏(ミツマタ)

 


OMOTE TO URA E-SHOP
INSTAGRAM
X
CONTACT

ワダアサト