Bonsai & Plants

奥深き下草の魅力

 

下草とは

下草の種類

下草の魅力

下草の育て方

 

下草とは


八重山屋久島スミレ(OMOTE TO URA)

下草とは、盆栽における「草もの類」の総称です。盆栽は、

・松や杉などの「松柏類」
・紅葉や欅などの「雑木類」
・雪の下などの「草もの類」

に大分することができ、伝統的な盆栽の飾りにおいてはそれぞれが意味を持ちます。

そして、その「下草」(草もの類)は、樹木ではない草を盆栽鉢に入れて鑑賞するもので、日本の四季や風景を投影しながら時間をかけて楽しむものです。

 

下草の種類


主な下草の種類には、

・ユキノシタ ・イタドリ ・笹 ・スミレ ・セキショウ
・ヒメトクサ ・フウチソウ ・ホトトギス ・ケイトウ
・ダイモンジソウ ・紅チガヤ ・ススキ ・サギソウ
・ギボウシ ・ワレモコウ ・ツワブキ ・タツナミソウ

などがありますが、必ずしもこれに限らず、日本に自生する名前のついた山野草であれば、下草として鑑賞することが可能です。

岩檜葉(OMOTE TO URA)

ヤマラッキョウ(引用:e-bonsai

イワヤツデ(引用:e-bonsai

中には山野草のみならず、多肉植物などを下草として鑑賞する人もあり、その楽しみ方は多岐に渡ります。

ツメレンゲ(引用:春嘉の盆栽工房

また、ミニ盆栽・豆盆栽と同じく、この下草においても重視されるのは

・葉の小ささ
・古さ

ですので、「屋久島」「姫」などが名前の先に付く山野草(例:姫雪の下、屋久島ススキ等)は重宝されます。加えて、植え替え時に葉を矮小化させるメソッドや、葉切りの時に矮小化させるノウハウなども存在します。(別の機会に書きます)

 

 

下草の魅力


下草の魅力はなんといっても、植え替えないことによる「古さ」の表現です。下草の中には、元々雑草として扱われていたものもあり、とにかく強健なのが特徴です。その為、樹木と違い植え替えを行わないことで、「鉢こぼれ」を生み、古さを醸すことが求められます。

下図は8年ほど植え替えを行っていないとのことです。

タンチョウソウ(引用:東京盆栽日記

植え替えをしてしまうと、せっかく生まれた「古さ」を更新させることになってしまいます。常緑種以外の草ものは、冬になれば上部(葉や枝など)が枯れてしまいますが、翌年の春に再び芽吹きますので、そのサイクルを楽しむことができます。

また、出来れば最初のうちから化粧鉢(本鉢:鑑賞用の良い鉢)に入れてしまうのがベターで、それが難しい場合でも、可能な限り小さな鉢で培養してあげるのが良いです。

 

 

下草の育て方


下草は樹木盆栽と異なり「草」がメインとなるものです。その為、直射日光下で育てるというよりは、半日陰を中心として管理します。真夏は鉢が小さいことで乾きが速くなりますから、その季節だけは意識的に灌水します。

施肥に関しては、樹木程の施肥は必要ありません。気付いた時に薄めた液肥などを与えるのみで十分です。

一方で、小さい鉢で管理する下草は、風通しを良くすることが必要です。

 

伝統的な盆栽の世界では、この下草は「飾り」、つまり主木を惹きたてる為の「添え」として利用されるものですが、個人で楽しむぶんには自由です。是非、お家で長く育ててみてください。

2022年秋よりOMOTE TO URAのF/Wシーズンがスタートします。同時に盆栽類も取り扱いますので、どうぞお楽しみに。


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