神が意志をもって創造したとしか思えない花、シラヒゲソウを観察しに行ってきました。
シラヒゲソウはウメバチソウ科ウメバチソウ属の多年草で、日本の本州(中部と西部の太平洋側)、四国、九州の温帯域に分布します。
白髭草(シラヒゲソウ)
Parnassia foliosa Hook.f. et Thomson var. nummularia (Maxim.) T.Itô
環境省RDB:-
山梨県RDB:絶滅危惧lB類
非常に繊細な形状をしており、人間の想像の範疇を遥かに超える緻密な構造をしています。私の花の師匠は、この花を見てから本格的に花にのめり込んだとのことですが、それも頷けるほどのフォルムです。
葉も芯円形で特殊な形をしており、湿地に生育する植物です。しかしながら、この美しさ故に盗掘が後を絶たず、山梨県では絶滅危惧lB類に指定されています。
また、繊細な白い花の対極に位置するエンビセンノウも観察しに行ってきました。
燕尾仙翁(エンビセンノウ)
Lychnis wilfordii
環境省RDB:絶滅危惧lB類
こちらは山梨県に自生しておりませんが、ナデシコ科センノウ属の多年草で、とにかく美しく妖艶な花だと思います。
鮮やかな赤というよりも、深みのある朱色のような印象を受け、吸い込まれそうな深遠を魅せてくれます。
環境省RDBでは絶滅危惧lB類(EN)に位置付けられ、自生する全ての道県でRDB入りしています。
また、この観察の帰りにはタヌキマメを観察しに行ってきました。
狸豆(タヌキマメ)
Crotalaria sessiliflora
環境省RDB:ー
山梨県RDB:絶滅危惧lA類
こちらは山梨県RDBでlA類(CR)に指定されている希少な植物ですが、大変残念なことに、本種自生地が大胆な草刈りに遭ってしまい、個体数の99%が消滅してしまいました。県内での生育地は限局しているのに加え、一年草であるため、今後の生育は絶望的と考えてもいいかもしれません。