Bonsai & Plants

植物の基本的な管理のメソッド「ミニ盆栽篇」

気温が暖かくなってきて、様々な植物の本葉が出揃ってきました。これから夏に向けて、本格的な成長期に入りますのでこれからの管理にはやや気を遣います。

そこで本日は「植物の基本的な管理のメソッド」と題しまして、タイトル通り、基本的な管理方法をお伝えして参ります。(本章はミニ盆栽篇です。コーデックス・多肉・観葉系は次回4月6日に配信いたします。)

 

①水やりについて

②環境について

③肥料について

④冬の管理

 

①水やりについて


まず、ミニ盆栽における最も重視すべきポイントは、圧倒的に「水やり」です。水やりさえうまくいっていれば、後述する②~⑤のことが多少疎かになっても、枯死することはまずありません。

そしてその「水やり」の基本は、

乾いたらたっぷりと

とされています。しかしミニ盆栽は、想像以上に過酷な環境に置かれている植物(鉢がとても小さい)ですので、乾く前に水をあげることが求められます。

春:1 / Day(朝)
夏:2~3 / Day(朝・夕・夜)
秋:1~2 / Day(朝・夕)
冬:1~2 / 3Days(朝)

が基本となるスケジュールで、特に乾きが早くなる夏は、水切れを起こすと復活できないほどになってしまいます。加えて真夏の炎天下で水をあげますと、その水が温められてしまい植物を弱らせる原因となります。

また、一部では「霧吹きなどで水をあげる」とされることもありますが、これは絶対に辞めてください。霧吹きでは土の中にある根っこまで水が行き渡らず、水をあげていないことと等しくなってしまいます。(葉水と呼ばれる、葉に水を霧吹きでかけるのは◎)

細かい水が出るようなジョウロを利用し、鉢底からたっぷりと水が流れ出るまで与えてください。

また、急用や旅行などで家を空けないとならない時には、ミニ盆栽を日陰に移動させたり、予め水で濡らしておいた富士砂などの上に置いておくのも有効です。あくまでもミニ盆栽は生き物であるということは、所持する前に理解しておきたいところです。

加えて、雨の日はミニ盆栽にとって最高の一日です。真夏のゲリラ豪雨などでは鉢の土が外に流れ出てしまうと困りますが、その他の季節の雨は、ミニ盆栽に直接当ててあげて構いません。出しっぱなしでOKです。

 

②環境について


次に環境ですが、置き場所の基本は、

陽当りが良く、風通しも良い場所

となります。つまるところ「外」で直射日光が当たるところ、となります。

近年、観葉植物などが普及した背景には「自室で植物を楽しめる」というニーズがあったことは間違いないのですが、ことミニ盆栽においては、やはり屋外で雨や風に当てることが必要です。これは、ミニ盆栽がそもそも自生する場所の環境を再現することに加え、健康に育てていく為には不可欠なことです。

どうしても家の中で楽しみたい、という方は、

・少なくとも週に三回は外に出してあげること
・朝の数時間でも良いので直射日光を当ててあげること

に留意すれば、屋内でも育てることができます。

しかし、一方で、屋内で育てる際に懸念されるのは「十分な水やりができない」ということです。外では、鉢底から水が流れ出ても特に問題がありませんが、室内ではやはり”トレイ”などの受け皿を必要とします。その受け皿に水が溜まってしまう状態が続くと、結果として鉢内部も乾燥せず、根腐れを引き起こします。

 

③肥料について


続いて肥料に関してですが、肥料の基本は、

目的によって使い分ける

ということです。

そもそも、盆栽に利用される植物が自生している場所には、腐葉土などによって様々な栄養素がありますが、盆栽で使う用土には栄養素がほとんど含まれません。その為、肥料を利用して不足する栄養素を補ってあげる必要があります。中でも、

は多量に必要とされるもので、

は微量に必要な元素となります。

これらの中でもとりわけ重要なのは、

・チッソ(N)
・リン酸(P)
・カリウム(K)

であり、この三つ「NPK」がバランス良く含まれる肥料を持っていると便利です。

また、肥料には「即効性肥料」と「緩効性肥料」があり、

即効性肥料:液肥や化学合成肥料を指す。即効性はあるが持続性がない。
緩効性肥料:
有機固形肥料や元肥を指す。徐々に吸収される。

のように、それぞれ特徴があります。中でも積極的に施肥したいのはNPKのバランスが良い油カスやそれに準じた固形肥料です。

また植え替えの際には元肥としてマグァンプKなどを施肥しておくと安心です。加えて、法的には「肥料」に含まれませんが、樹勢を高めるメデネールも持っておくと安心です。

注意したいのは、真夏に施肥はしないということです。

 

④冬の管理


最後に冬の管理ですが、基本的には

ムロ入れを行う

とします。盆栽は、マダガスカルや熱帯・亜熱帯地域を原産とする観葉植物やコーデックスと異なり、日本に自生する植物です。故に、過保護にする必要はなく、表土が多少凍るくらいでは、寒さによって滅多に枯死することはありません。

とはいえ、鉢も小さく、植物そのものも小さいため、やはり本格的な凍結や北風からは保護してあげる必要があります。

そこでオススメなのが、発泡スチロールなどにミニ盆栽を入れて外に置いておくということです。この発泡スチロールを一枚かませるだけで、凍結と北風の寒害から保護することができます。暖かい地域では、夜中の内に表土が凍り昼に解けるので、一切何もしないという方もおられます。

一方で、あまりに過保護にしすぎて、暖房の効いた家の中に取込んでしまうと、植物たちは「冬」を理解せず春の芽出しに影響がでます。

なお、この期間は常緑樹以外の植物は葉を落とし休眠期に入ります。その為、日光をほとんど必要としませんので、水だけ注意して与えてください。

 

最後になりますが、ミニ盆栽を育てる上で最も注意したいのは「水やり」です。これさえしっかりしておけば、難しいことはほとんどありません。

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