山梨の山野草・高山植物

コイチヨウランの大群落と高山植物

 

平地が毎日のよう猛暑日となり、過ごしにくいどころか、生きにくい中、山梨県内の高山に登ってきました。

駐車場着は4時30分ほどで、気温は14℃。涼しいというよりむしろ寒いほどでしたが、山頂に向けて歩きはじめました。

 

この山域は亜高山帯針葉樹林の森が続き、既に富士山、そして眼下に雲海がみえています。本当に素晴らしい眺望ですが、希少植物の保護の観点から、山域が特定できるような画像を掲載できないのが残念です。

まず見ることができたのは、コバノイチヤクソウです。

小葉一薬草(コバノイチヤクソウ)
Pyrola alpina Andres

この花は土壌の菌類と半共生する常緑の多年草です。山梨県内ではこのコバノイチヤクソウに加え、ジンヨウイチヤクソウ、ベニバナイチヤクソウ、ムヨウイチヤクソウそれぞれ生育しています。

そしてこの日の観察のメインとしたのがコイチヨウランです。

小一葉蘭(コイチヨウラン)
Ephippianthus schmidtii Rchb.f.
環境省RDB:ー
山梨県RDB:絶滅危惧Ⅱ類

コイチヨウランはコイチヨウラン属の多年草で、ハコネランとコイチヨウランの二種しか存在しません。加えて、山梨県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)となっています。

しかしながら、この場所では登山道付近の苔帯に驚くほど多く生育しており、このような大群落を見れるのは日本の中においても中々珍しいのではないかと思われました。環境としては直射日光の当たらない暗い場所で、特に重要なのは湿度ではないかと考えます。土壌が乾燥している場所にはほとんど生育しておらず、他の植物が多く生育しいています。

唇弁には紅紫色の斑紋が出現しますが、これらは肉眼でもしっかりと確認できました。

続いて会ったのはコフタバランです。

小二葉蘭(コフタバラン)
Neottia cordata (L.)Rich.

このコフタバランは、山梨県では絶滅危惧種の指定を受けていませんが、多くの都道府県でRDB入りしています。

そして山頂直下のハイマツ帯の尾根筋にはリンネソウが生育していました。

リンネ草(リンネソウ)
Linnaea borealis L.
環境省RDB:ー
山梨県RDB:絶滅危惧lA類

この花は高山植物の一種であり、スウェーデンの植物分類学者、Carl von Linné(カール・フォン・リンネ)から名付けられています。そのため和名において「リンネ」が「輪廻」になりません。

また「リンネ草」と付いているものの、実際には常緑小低木の一種で、茎の先端で二股に分岐し、下向きに二つの花を付けるのが特徴です。山梨県RDBでは絶滅危惧ⅠA類(CR)となり、分布限界種(南限)となっています。

そして山頂に至るとトウヤクリンドウが綻び始めていました。あと二週間もすればいよいよ満開になるように思います。

当薬竜胆(トウヤクリンドウ)
Gentiana algida

その他コバノコゴメグサ、タカネニガナなどを確認できました。

小葉の小米草(コバノコゴメグサ)
 Euphrasia matsumurae Nakai

こちらは一年草であり、高山植物の一種です。寄生植物としても知られ、イネ科の植物に寄生します。

いずれにしても、この山域は豊かな自然が残り、渓谷の際にも様々な植物が咲きそうな気配があります。時期を変えてまた訪れてみたいものです。

 


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