【蔦:ツタ】
Ivy
Parthenocissus tricuspidata
ツタ(引用:uekipedia)
ツタの盆栽(引用:e-bonsai)
ツタはブドウ科ツタ属のつる性落葉木本。
ツタにはいくつかの種類がありますが、壁面緑化に用いられるのはヘデラ系の品種が主となり、盆栽では
・夏ツタ
と呼ばれるものを主に利用します。
【基本の育て方】
ツタは基本的に育てやすく、管理もしやすい樹種の一つです。ただし、真夏の強い日差しに当ててしまうと、葉焼けを起こしやすい傾向があります。その為、炎天下では遮光を必ずするようにしてください。
寒さには比較的強い樹種ですが、新梢(その年に伸びてきた枝)は寒風などにより枝枯れしやすいです。他樹種と同じくムロに入れてあげてください。また、秋以降はしっかりと日光に当ててあげることで、綺麗な紅葉を促します。
【基本の水やり】
春秋:一日に一回
真夏:一日に二~三回
冬:二日に一回
を基本とした水やりを行います。ただし、過湿による根腐れも引き起こしやすいので、過水に注意します。
【施肥】
そこまで肥料を多く必要としない樹種ですが、小さい鉢で管理している場合、用土の養分が不足しますので、春肥として油カスなどの固形肥料を断続的に施肥します。真夏は一旦外して、秋肥も施肥します。元肥としてマグァンプKを与えておくと安心です。
【芽摘み】×
つる性の性質を持ちますので、細かい芽摘みはほとんど必要ありません。「アイビー」などの名前で観葉植物として販売されているものもありますが、これらのいずれも盆栽仕立てにすることが出来ます。重要なのは紅葉前の葉刈りと、紅葉後の剪定です。(「剪定」参照)
【葉刈り】(6月~7月)
ツタの葉刈りはモミジなどの「全葉刈り」「片葉刈り」等とは異なり、「部分葉刈り」を中心に行います。
部分葉刈り
この部分葉刈りの基本は、大きな葉をカットし、小さい芽や新梢に力を付けていくことにあります。このことによって次に出てくる葉を矮小化させることができ、ミニ盆栽に相応しい大きさの葉に立て代えることができます。
【剪定】(11月~)
芽摘みと同様、細かい剪定は必要ありませんが、紅葉を鑑賞し終えたら、来春に向けて全体の造形を整える剪定を行います。前シーズンに伸びた蔓(ツル)をカットし、葉刈りの要領で行います。
ミニ盆栽独特の「小さく太くゴツゴツと」という樹形を目指すのであれば、是非行ってほしい作業の一つです。