【楓:カエデ】
Acer(Maple)
Acer
カエデはムロクジ科カエデ属の落葉高木。
実は「モミジ」と「カエデ」の違いは植物学的にはなく、葉が浅く切れ込んだものを「カエデ」、深く切れ込んだものを「モミジ」と呼称することが多いようです。あくまでも「モミジ」というのは通称で「モミジ」という植物は植物学的に存在しないと考えてください。ミニ盆栽において利用されるのは主に
・トウカエデ
・宮様カエデ
・匂いカエデ
などです。
中でもトウカエデは、カエデ系盆栽の代表種で、丸みを帯び浅く分かれた葉が大変可愛らしい種です。
匂いカエデは、その葉からゴマのような独特の香りを発しますが、実際にはクマツヅラ科のハマクサギ属に属する植物です。
【基本の育て方】
カエデはモミジと同じく、基本的には水と日光の双方を好みます。その為、直射日光が当たる日向が望ましいです。また、モミジと比較すると、葉焼けを引き起こす傾向は少ないようですが、やはり真夏の西日には当てないように管理します。
真っ赤に紅葉する葉が特徴のカエデですが、日照が不足するとせっかくの赤い紅葉が楽しめませんので、しっかりじっくり日光に当ててあげることが望ましいです。
【基本の水やり】
春・秋は一日に一回程度、冬はニ~三日に一回程度の水やりをします。真夏は朝晩の二回、乾きやすいようであれば三回に増やしても構いません。また、紅葉を楽しみたいのであれば、初夏以降の葉水も欠かさないようにします。
【施肥】
カエデは樹勢が良いものであれば、新梢(新しい枝)の伸びが強く、次から次へと新芽が出てくる傾向にあります。その為、春肥はなくてもいいくらいで、寧ろ肥料が過多になってしまうと、新梢が徒長し、盆栽としての樹形はすぐに崩れてしまいます。
基本は油カスなどの肥料を春以降から効かせます。梅雨以後~真夏までは一旦外し、同じように秋肥を与えます。一方で、葉刈りを行った直後などは、しっかりと施肥してあげることで樹勢を保ちます。元肥としてマグァンプKを施肥しておくのも有効です。
【芽摘み】(5月~)
カエデは新芽の芽吹きが比較的旺盛で、何も手入れをしないと葉が大きくなり、どんどん背を伸ばしていきます。樹そのものを太らせる段階では、芽を摘む必要はありませんが、樹形を維持するのではあれば定期的な芽摘みは欠かせません。
基本の芽摘みは二~三葉残して芽を摘むということで、二番目を吹かせることを目的に行います。
芽摘み
また、不要枝なども早めに摘んであげることで、新梢の伸びを抑制し、樹形を維持することも大切です。
【葉刈り】(6月~)
また、樹勢が旺盛で元気のある樹は全体的に葉を刈る「全葉刈り」、片方の葉を刈る「片葉刈り」も行うことができます。この方法とメカニズムは「モミジ」と同じです。