Rock

広くて浅いロックジャンルの教科書【90s~00s】

 

 

 

 

1950年代に様々なミュージシャン達によって、そして様々な音楽の影響を受け誕生したロックンロール。ロックンロールはやがて「ロック」と呼称を変え、2020年の今に至るまで変遷・細分化されている。

そんな「ロック」だが、実際のところ、そのジャンルはかなり幅広いもので、一体自分はどんな音楽が好きなのか?一体ニューウェイヴって?などという疑問が音楽を聴き始めると浮かんでくる。

今日はそんなロックのジャンルについて、とにかく広く浅く書いていきたい。これをきっかけにロックを知り、自分を知っていただけたら幸いです。(とても長い記事です)

 

本記事は90年代~00年代についてです。

50年代~60年代はこちら

70年代~80年代はこちら。

 

 

はじめに

①テクノロック

②ブリットポップ

③グランジ / ポスト・グランジ

④オルタナティブロック

⑤ミクスチャーロック

⑥ガレージロックリバイバル

⑦ポップパンク

⑧インディーロック

⑨インダストリアルロック

⑩シューゲイザー / ドリームポップ

⑪邦ロック

 

 

 

はじめに


1990年代以降ロックのジャンルはかなり細分化が進み、更に多極化していく。そのことによってロックにおける「ジャンル」というものは、はっきりと決まるものではないことは理解していただけると思う。実際には「このバンドはメタルだ」という曖昧なものはあっても、それはしっかりとした直線での線引きではない。まるでグラデーションのようにそれぞれのロックバンドが活躍し、ハードロックバンドでもサウンドはブルースに直結するようなバンドだって存在する。

つまりはこのジャンル分け、カテゴライズはあくまでロックを聴きはじめるきっかけに過ぎず、只その上での「分かりやすさ」「理解しやすさ」の為に存在すると考えていただきたい。

 

 

①テクノロック


テクノロック(Techno Rock)は90年代に日本のロック誌上で利用された経緯のあるロックのジャンルを指す。デジタルロックやエレクトロニックロックとも接近し、その内容はほとんど差異がない。

サウンドはデジタルとロックンロールを融合させたようなタイプを指し、テクノ的なアプローチが強いロックも、ロック的なアプローチが強いテクノも、その双方を括った。また日本では「デジロック」と呼称されることが多く、2000年代にはその呼び名が主流となった。

ケミカル・ブラザーズが代表するところのトリップホップやビッグ・ビートも含む場合もあり、その線引きは極めて曖昧。ルーツは基本的にイギリスのマンチェスターで、ポストパンクやニューウェーヴからの影響も色濃く残っている。ジャパンが代表するようにシンセ・ポップやクラウト・ロックなどのエレクトロニカサウンド全体をそう呼ぶこともある。

またトリップホップに代表されるのはアイルランドのビョークなど。

 

 

②ブリットポップ


ブリットポップ(Britpop)は例えば「ブルース」などといったサウンドで分けるタイプのカテゴリーではなく、「ブリティッシュ・インヴェイジョン」「NWOBHM」のようなムーヴメント・現象を指したもの。

後述グランジムーヴメントを牽引するニルヴァーナのカート・コバーンの自死により、一連のグランジが終焉したその穴を埋めるような時代性と背景をもっている。

そしてブリットポップ一連の流れを牽引したのはオアシスブラーだった。英国と米国は60年代のブリティッシュ・インヴェイジョンに端を発し、それぞれ両国が競うようにロックを底上げしてきた。しかし一方でイギリス独自のロック、つまりは初期ブリティッシュロックを求めるような風潮があり、その社会情勢の中で生まれた労働階級と中流階級出身の両バンドをイギリス間ディアは大きく取り上げた。

しかしムーヴメントを牽引したブラーのデーモン・アルバーンによる「ブリットポップは死んだ」という発言を契機に、ブームに終止符が打たれた。

(What’s the Story)Morning Glory? / oasis

 

 

 

③グランジ / ポスト・グランジ


グランジ(Grunge)は1990年代にアメリカ・シアトルを中心に興ったムーブメントの一つで、「ブリティッシュ・インヴェイジョン」や「ブリットポップ」のような現象を指すもの。このグランジのルーツは70年代後半のパンクロックやハードロック、ヘヴィメタルにある一方で、80年代のLAメタル勢の煌びやかさや華々しさを否定し、後進へ絶大な影響を与えた。

あくまで個人的な感覚にはなってしまうが、このグランジの勃興により90年代以降のロックは大きくその方向性を変え、またその文脈において70s~80sHR/HMという比肩が成立するように思える。

そしてこの一連のグランジを率いたバンドがカート・コバーン率いるニルヴァーナであり、クリス・コーネルのサウンドガーデンや、パール・ジャムなども大きく活躍した。

サウンド的には、パンクロック的ニュアンスの簡素なビートと、HRが主に持つリフが主体となる楽曲構造が特徴。また音楽性に違いはあれど、ポップパンクなどの00年代バンドのメンタリティにも大きな影響を与えた。

Nevemind / NIRVANA

 

 

 

④オルタナティブロック


オルタナティブロック(Alternative Rock)は70年代後半、パンクからニューウェーヴ移行期を発端とし生まれたロックのジャンル。実際には80年代~90年代にも存在していたものの、主に90年代のグランジ以降のバンドを「オルタナティブ」と呼ぶことが多い。

「オルタナティブ」の意味は「もう一つの手段、代わり」などというもので、産業ロックやスタジアムロックへの反発と、それらに対するカウンター的な意味を内包していた。そのためインディーロックからの影響が強い。

一方、日本で活躍するいわゆる「邦ロック」(単純に国ごとのカテゴライズではない、既にカルチャーとして成立した邦ロック・後に詳述)バンドは、このオルタナティブロックをルーツとしているバンドが最多である。

 

 

 

⑤ミクスチャーロック


ミクスチャーロック(Mixture Rock)は1990年代のラップメタルやラップロック、更にはニューメタルやオルタナティブロック、ファンクロックを含むジャンル。主に日本のみで使用される和製英語で、日本国外では通用しない。

実際にはロックンロールがブルースやR&Bなどのブラックミュージックを取り入れたのに対し、このミクスチャーロックはラップやヒップホップなどの比較的新しいブラックミュージックを汲んでいる。場合によってはハードコア・パンクやゴス、エモなどを含むこともある。

 

ラップロック

その言葉の通りブラックミュージックであるヒップホップやラップなどから影響を受けた音楽で、その結果としてそれらがルーツとするファンクロックにも近しい。レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどがこのジャンルに挙げられることが多い。

 

ニューメタル

ヘヴィメタルからの流れを継いだメタルのジャンルの一つで、グランジ / オルタナティブとスラッシュメタルからの影響を受けている。リンキン・パークやコーン、スリップノットなどのHR/HMをルーツとするバンドがその主だったもので、プログレッシブ・メタルに含まれるシステム・オブ・ア・ダウンなどもこのジャンルに含むことがある。日本では「モダン・ヘヴィネス」などと呼ばれることもある。

 

 

 

⑥ガレージロックリバイバル


ガレージロック・リバイバル(Garage Rock Revival)は2000年代にかけて、ガレージロックをリバイバル的に組み込んだロックを指す。特にザ・ストロークスホワイト・ストライプスはその代表的バンドで、ニューメタル勢などの音の厚みが全盛となっていた時代に、隙間の多いサウンドとシンプルな構成で注目された。またイギリスからはザ・リバティーンズがその中心的なバンドとなった。

70年代のHR/HMや90年代ブリットポップなどの影響を感じさせず、ブラックミュージックともまた違うサウンドは新しかった。

 

 

⑦ポップパンク


ポップパンク(Pop Punk)は70年代後半のパンクロックからの流れをダイレクトに受けながらも、よりキャッチーでメロディアスさを増したロックのジャンル。メロディック・ハードコア(ギターのメロディに重点を置いたハードコア・パンク)との関連も強く、代表的バンドはグリーンデイオフスプリングなどである。

またブリティッシュロックから派生したパワーポップなどのジャンルも様式的起源になり、フォール・アウト・ボーイマイ・ケミカル・ロマンスが含まれることもある。

日本においては初期~中期のワンオクロックや、その他の邦ロックバンドへの影響も色濃い。

 

 

⑧インディーロック


インディーロック(Indie Rock)はインディペンデントロックの略語で、オルタナティブロックに繋がるロックの流れを率いたジャンル。サブジャンルにはインディーポップやギターポップの他に、マスロックやサッドコア、ポストパンクリバイバルなどがあり、細分化している。

1970年から80年にかけて、HR及びHMバンドの商業主義的な側面にアンチテーゼを突き立て、トレンドを考慮しないロックのジャンル。主に70年代のUKから発展し、ストーン・ローゼズやザ・スミスなどを含む場合もある。

また、UKブリットポップからの流れとUSグランジからの流れの中で、インディーロックは徐々にその人気と知名度を獲得していく。

 

 

 

⑨インダストリアルロック


インダストリアルロック(Industrial Rock)は1970年代後半に生まれたロックジャンル。インダストリアル・ミュージックとロックンロールが融合したもので、インダストリアル・メタルと同義として扱われることも多い。

スラッシュメタルとハードコア・パンクからの影響が強い一方で、シンセサイザーやサンプリングなどが使用される。

特にミニストリーとナイン・インチ・ネイルズがその代表的バンドで、マリリン・マンソンなどを含む場合もある。

 

 

⑩シューゲイザー / ドリームポップ


シューゲイザー(Shoegazer)は1990年ごろに勃興したロックのジャンル。ブリットポップと同時期に発展していったものの、ブリットポップの大衆的人気の陰に隠れていたとも言われていたが、2000年代にかけてニューゲイザーと呼称され、アンダーグラウンドシーンからオルタナティブロックへ影響を与えている。エフェクターやフィードバック・ノイズ(ギターのフィードバックによるノイズを積極的に取り入れる奏法)を用いた深いディストーションサウンドが特徴で、ミニマルなリフを繰り返す。

またメロディが重要視され、ヴォーカルは囁くように歌うのが特徴。サイケデリックロックからの影響もある。

 

ドリームポップ(Dream Pop)は1980年代に発展したロックのジャンルで、浮遊感のあるサウンドが特徴。サイケデリックロックとポストパンクからの影響が大きく、エコーやリバーブ、ディレイなどを深く駆使したサウンドとされる。HR/HMの特徴の一つであるリフ主体ではなく、浮遊感のあるムードが優先される。

2000年代の後半からインディー・ロックシーンで流行していき、ビーチ・ハウスやダイヴなどが主に活躍した。

 

 

⑪邦ロック


邦ロックは主にJapanese Rockの総称として使用される言葉で、UKロックのように国ごとのカテゴライズとなる。しかしUKロックがそうであるように、単純に国を指した言葉であるとは限らず、時間が経ちその言葉が浸透していくに連れ、「邦ロック」独自のサウンドが生まれた。

主に「邦ロック」では00年代以降の日本のオルタナティブロックバンドを指すことが多く、それ以前から活躍を続けるサザンオールスターズやB’z、Mr.Children、X JAPANなどはこれに含まない場合がほとんどで、特に日本国内における「邦ロック」は特定メディアの掲載回数が多いバンド(ロキノン等)などを指すことが多い。

またJ-POPとの区別は曖昧であるが、この「邦ロック」にはオルタナティブロックやニューメタル、ハードコア、ポップパンクバンド、ロキノン系を含むことが多い。HR/HMやそれ以前のグラムロックやサイケデリックロックは含まない場合が多い。

 

 

 

 

 

 


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