Rock

「伊藤政則の遺言vol.15」によって考慮したいくつかのこと

 

2020年1月27日(月)に「伊藤政則の遺言 vol.15」が東京都の文京シビックホールにて開催された。私はそのイベントに参加していたが、伊藤政則氏並びにBURRN!編集長の広瀬和生氏のトークの中で、いくつかの考えが浮かんだ。そのことについて書いていきたい。

なお、ここではイベントの内容をディテールまで伝えることはしない

 

 

①「伊藤政則」「遺言」とは?

②HM/HRシーンの現状

③「論じる」ことには限界がある

④追記

 

 

①「伊藤政則」「遺言」とは?


恐らく弊社のウェブサイトを観てくださっている方ならば、その多くが知るところであると推察する「伊藤政則」さんだが、①では念のため彼の存在を知らない人に向けて、大まかにご紹介しておく。

伊藤政則(いとうせいそく)氏は、日本の音楽評論家で、主に扱うジャンルは60’s以降のハードロック・ヘヴィメタル(以下HR/HM)。その他にもブリティッシュロック全般や、プログレッシブロックにも精通しておられる評論家【通称MASA ITO】と言える。

伊藤政則
(引用:https://www.shinko-music.co.jp/magazines/burrn/より)

エアロスミスやアイアン・メイデン、メタリカなどとも交流が深く、取材規制が最も厳しいと言われるガンズアンドローゼズのW・アクセル・ローズへのインタビューに成功した5人のうちの1人とされ、日本のロックバンドではLOUDNESSをはじめとし、B’zやANTHEMなどと交流が深いとされている。(詳細はWikipediaにてご確認ください)

 

そして「遺言」は伊藤政則氏が編集顧問を務める雑誌BURRN!の編集長、広瀬和生氏と共に「いまのうちに語っておきたいロックの歴史がある」と題し、クローズドな環境で開催される連続的なイベントを指す。

第15回目となる今回のイベントでは、2020年のロックの展望からラッシュのニール・パートの死、オジー・オズボーンのパーキンソン病、アイアン・メイデンの来日など、多岐に渡りお話をされていた。

R.I.P Neil Peart
(引用:https://www.barks.jp/news/?id=1000177155より)

 

 

②HR/HMシーンの現状


イベントでは大まかにHR/HMシーンの現状と展望についてお話をされていたが、やはりメタル、ハードロックにおける現状は芳しいものとは言えない。「ロック」というものの概念も時代と共に大きく変遷し、2020の今、「ロック」はヴォーカル、ギタリスト、ベース、ドラムスが揃っていれば「ロック」の括りに入るようになった。

一方でハードロックやメタルは、やはり「売れない」時代に突入し、ミュージシャン側もリスナー側も、過去への憧憬を捨てきれず、アップデートが大幅に遅れている。HR/HMシーンはもはや絶望的とも言い換えられる。実際「遺言」イベントでも24歳の私が圧倒的に最年少のように見受けられ、若い人は見当たらなかった。

世界のチャートを見渡しても、あるいは今回のグラミー賞を見渡しても、ハードロックやメタルというジャンルは圧倒的少数であり、かつては圧倒的な売上を誇った「BURRN!」誌も、現状セールスは全盛期の1/3と言われている。雑誌社やメディアが特定のイデオロギーに縛られ、ガチガチになっている場合もあるものの、リスナーがそれらを妄信するのはあまり建設的とは言えない。

 

 

③「論じる」ことには限界がある


②で書いたようにHR/HMを軸にしたバンドは世代交代が進まず、そしてリスナーも減少し続けている。そしてそれらを論じる人も同じように減少し、中には「新しいこと・革新的」なことに対して批判的・否定的なライターもいることは確かだ。

やれ「これはメタルではない」「サブスクなんてありえない」「これはただの歌謡曲」などといった半ば閉塞的な態度、そして新規のリスナーを重要視せず、知識量でもって圧倒し、自分の知識が絶対だと思う人々。こんなことでは絶対にHR/HMは消えていく。せっかく海外の大物バンドが来日しても、「行ってみよっかな」という若い層が、旧態依然とした体質を抱える旧くからのファンに阻まれ、どんどん遠のいていくということがあり得る。

そして「論じる」ことには限界がある。こうやって一つの意見を「論じて」いる私が言うのも変かもしれないが、所詮「論じる」人は「論じる」ことしか出来ない。それ以上のことも、それ以下のことも出来ない。

 

だからこそ、メタルやハードロックを愛する人々は、古き悪しき体質を継続してはならない。BABYMETALの功績をBURRN!社は取り挙げるべきだし、おじさんも、おにいさんも、おにいさんもヘドバンをすべきだと思う。そして何より「良いな!」と思ったら、是非その世界へ足を踏み入れてみてほしい。「豆知識おじさん」や「ギターちょいかじりおじさん」の話を聞く必要はない。

そしてライブにも是非足を運んでみてほしい。先日クイーンがアダム・ランバートと共にジャパン・ツアーを開催していたし、2020年にはアイアン・メイデンをはじめとして、マイケル・シェンカー、ノットフェスの開催、ダウンロードの開催などが目白押しだ。

 

 

④追記


80年代起こったニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル・ムーヴメント(NWOBHM)を牽引し、80年代後半から90年代のメタル・ブームの立役者としてシーンに多大なる影響を与え、新世紀に入ってからもヘヴィ・メタル最大のアイコンとして君臨し続ける、最も成功したメタル・バンドがこのアイアン・メイデン。

未だに横浜公演のチケットは余っているが、恐らくソールドすると察する。是非行ってみてください。

アイアン・メイデン
(引用:https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b1947381
上記ページにてチケットの取り扱いがあります。

 

伊藤政則氏とB’zの対談動画です。ここに出てくるアルバムは全て「名盤」と呼べるものだと個人的には考えています。是非、これらのアルバムも聴いてみてください。

 

 


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次回もよろしくお願いいたします。

ワダアサト
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