山梨の山野草・高山植物

1【山梨百名山】茅ヶ岳

既にこちらで書かせていただいた通り、OMOTE TO URAではコンセプトの再策定を行い、取り扱うプロダクトをやや変更いたしました。また、それに伴いこれまで停止していたコンテンツに新たなジャンルを迎えて、定期的に配信して参ります。

この「Yamanashi」というコンテンツでは、主に山梨百名山を中心とした山梨の自然や源流について書いて参ります。書くきっかけとなったのは(長いので興味のない方は飛ばしてください)、主に二つあります。

一つが僕自身が登山者・源流釣り師として山梨の山々を渡り歩いているから。そしてもう一つが、その経験をなぜコンテンツにしないのか、ととある方から助言をいただいたから。です。

僕にとって自然に触れることは、僕の人生に欠かすことの出来ない大切な行為です。椅子に座っているよりも、或いは偉い人と話をするよりも、遥かに勉強になることばかりです。そして山頂で誰かと会話をすることや、自然に生きる渓流魚と対話することは、最も気持ちの良い瞬間の一つでもあります。ですから、この経験を存分に生かそうと思いました。しかし、このコンテンツの為に山に登るのではなく、山が好きだから登る、そのついでとしてこの「山梨百名山」というコンテンツが存在するということだけは書いておきたく思います。

勿論、その裏には「そういった山梨の自然を発信することで、弊社の商品に興味を持ってくれる方がいるかも」というごく当たり前の思いと目的があります。すぐには結果に直結するとは思いませんが、とりあえずは続けてみようと思っています。一体、百山を登り終わるのはいつになるのか、先行きは不透明ですが、自然の素晴らしさを感じてもらえたら幸いです。

僕なりの着眼点で、文章をゆっくりと、そして少しずつ綴っていければいいなと思っています。なお、配信日は各月最終週の土曜日21:00となります。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、第一回目は「茅ヶ岳」です。

 

引用:北杜ナビ

 

茅ヶ岳(かやがたけ)

Date:2月24日
都道府県:山梨県
標高:1,704M
6.9㎞ / 811M⤴

茅ヶ岳は金峰山、瑞牆山などの名峰が連なる奥秩父連嶺の南西部に位置する火山で、八ヶ岳連峰に似ていることから「ニセ八」と呼ばれることもあります。甲府盆地から見ると、広い空間に突如として山々が降り立ったように見え、山梨の山の中でも目を惹く山です。

特筆すべきは百名山ブームの火付け役となった「日本百名山」の著者、深田久彌氏が、山頂直下で亡くなった山であるということです。現在でも山岳倶楽部「白鳳会」によって、深田祭なるものが開催されています。

 

山梨の全てを見渡せる山

この山に登る一般的なルートは「深田記念公園」からのスタートです。駐車場は十分な広さがあり、平日であるのに県外ナンバーばかりが駐車されていました。スタートから「女岩」まではゆるやかな登りが続き、徐々に標高を上げていきます。

登山道のケルン(※)
(ケルン=かつて道標として使われていた名残)

しばらく歩いていくと「女岩」の入り口が見えてきますが、現在、崩落の危険がありますので立ち入り禁止となっています。

女岩手前

そして女岩以降、登山道はガレ場(※)が多くなり、急登が続いていきます。危険箇所はそれほどありませんが、落ち葉がかなり多いので滑落には十分注意が必要です。また、樹林帯が多く、谷を登っているイメージですので、長い間景色には恵まれません。(ガレ場:岩クズがガラガラと積み重なった場所)

登山道のガレ場
赤い矢印に従い歩く

そして、急登を登っていくと、突如としてささやかな「深田久彌先生終焉之地」という石碑が見えてきます。奥には奥秩父の山々が見え、その存在感に驚くばかりです。

深田久彌終焉之地

地図上ではこの「終焉の地」から山頂までが短く見えますが、実際にはガレた岩場の急登を登りきる必要があります。また、登山道の幅も狭くなり、本格的な登山へ変貌していきます。

そして、山頂に至り見えてくるのは、山梨の山々を一望できる鮮やかなパノラマです。東には大菩薩連嶺、北には金峰・瑞牆、北西には八ヶ岳、そして南には富士と御坂山麓が見えます。茅ヶ岳は標高こそ高くありませんが、その特殊な位置と形状により、素晴らしい景色が登山者にあらゆる感情を与えます。

山頂から望む富士

山頂標識と八ヶ岳(右後方)

山頂から望む南アルプス
(左から:農鳥岳、間ノ岳、北岳。中央:仙丈ケ岳。右:甲斐駒ヶ岳)

右:金峰山、左のゴツゴツした山:瑞牆山

山梨百名山標識。奥には金峰山。

山頂には、鳥の写真を撮りながらメモをひたすら取っている方や、実際に見える山々と地図を見比べながらノートに書きこんでいる人などがおられました。みな、楽しくてしょうがない顔をしています。知らない人と街で会っても話どころか挨拶もしないのに、山で会えば話をしてしまうこの謎は、解き明かしたくないものです。

僕は、カップラーメンを食べてから下山しました。

山梨の山々を一望できるこの茅ヶ岳。人気と標高こそ、奥秩父・八ヶ岳の山々には劣りますが、その眺望はそれらの山々に負けずとも劣らない見事なものでした。

この山は、様々なサイトによると「初心者向け」とされていますが、累積標高(※)が900Mほどですので、初心者向けとは言い難いです。そもそも登山者の言う「初心者」と、一般に言われる「初心者」は違うものです。「山梨百名山グレーディング表」では「体力度:2、技術的難易度:B」です。(累積標高:実際に自分の足で登らなければならない標高)


参考:「山梨百名山グレーディング表」やまなし観光推進機構
ワダアサト
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