天気のあまり良くない6月初旬に、八ヶ岳にツクモグサを観にいってきた。
長い急登の尾根を通り、山頂直下に至ると、ハイマツとシャクナゲの根が這う地帯に。風衝地であるがゆえに、殆どの植物の背が低くなり、その生存戦略の賢さと確かさに感心するばかりである。
そしてこちらがお目当ての九十九草(ツクモグサ)である。キンポウゲ科オキナグサ属の多年草。環境省RDBでは絶滅危惧ⅠB類に指定され、本州では白馬岳と八ヶ岳の二ヵ所のみに自生する。日本固有種であり、高山帯の岩礫地や稜線沿いの風衝地に生育し、高山植物としては早くに咲く。
この日は天候に恵まれず、花弁が開き切っていなかった。それにしても、このツクモグサの個体数は非常に少なく、全ての自生地の個体数の合計は数百個体のみと推定されている。
こちらは岩礫にへばりつくようにして咲いていた御山の豌豆(オヤマノエンドウ)である。オヤマノエンドウは高山植物の一種で、日本固有種となる。分布は本州中部の高山帯、飯豊山地、北アルプス、八ヶ岳、木曽駒ケ岳、御嶽山などである。
こちらは想像以上に花が小さく、小指の爪ほどの花弁が鮮やかな青紫に染まっている。
そして乾燥した山肌に一層目立つのが深山金梅(ミヤマキンバイ)である。こちらも高山植物の一種であり、亜高山帯~高山帯の砂礫地に生育する。まだ花期には早かった。
その他にも、チシマアマナやキバナシャクナゲ、ミネズオウ、コメバツガザクラなどの高山性植物を確認できた。