冬は剪定をしましょう
剪定で枝数を充実させる方法
不要枝を見極める
冬は剪定をしましょう
日本の植物は主に、
・常緑樹
・落葉樹
に分類することができます。簡単に説明すると、
・常緑樹:年間を通して葉が緑色
:マツ・ヒノキ・トショウ・スギ等
・落葉樹:秋~冬にかけて葉を落とす
:モミジ・ケヤキ・サクラ・ウメ等
となります。
しかしながら、いずれも冬になると「休眠」を行うようになります。この寒い時期の特徴は日照時間が短いということです。そのため、葉をつけていても光合成を充分に行うことができません。ですから植物は自発的に「葉を落とす」作業を行います。
一方で常緑樹(針葉樹)の多くが葉を落とさないのは、その成長スピードの遅さゆえの判断です。一度作った葉を落とし、次の春の新芽を生成するよりも、その葉を長持ちさせることで、日本の厳しい冬に耐えます。
そのため、いずれの植物(日本を原産とする)も、この休眠期に剪定を行ってあげることで、ダメージの度合いを減らすことができます。つまり、眠っている間に手術してあげるというわけです。
剪定で枝数を充実させる方法
盆栽にとって、枝数を増やすという作業は欠かせないことです。なぜなら頂芽優勢の性質を持つ植物は、手入れをしないと上へ上へと伸びていってしまうからです。これは日光を求めて伸びていく植物そのものの生態です。
そこで行うのが「剪定」です。この剪定を行うことによって二番芽を準備させ、来春の芽吹きに備えていくことが可能です。
その剪定の基本の考え方は以下の図となります。
このようにして頂芽を剪定することで、二股の枝を増やしていくことが可能です。
ほとんどの植物は秋頃になると、次の春のための新芽を懐に準備しています。その懐の芽を利用して、新たな枝を作っていくことが重要です。
また、どんぐりの仕立て方でも書いたように、このメカニズムを利用したのが下図となります。
不要枝を見極める
また、剪定をする上で理解しておきたいのは「不要枝」です。
この不要枝をしっかりと見極めて、剪定を行っていきます。
一方で、なんでもかんでも枝を剪定してしまうと、樹勢を落とすきっかけにもなってしまうことがあります。そのため、長い時間をかけて少しずつ剪定していくことが重要です。
また、時には徒長枝などを「犠牲枝」として残しておくことで、希望する部分を太くする方法もあります。
いずれにしても、剪定の役割をしっかりと理解しておきたいところです。是非参考にしてみてください。