①植物観察の魅力
②”なぜ”を知るのが楽しい
①植物観察の魅力
日本は国土の凡そ70%を森林が占め、驚くべきことにその森林率は先進国(OECD諸国)の中では世界3位を誇ります。当然、その森林率はアジアでトップなのです。故に、日本の森林や高原、山岳地帯にはありとあらゆる植物が自生しており、中には日本固有種(日本にしか自生しない植物)も存在します。
松虫草:マツムシソウ
Scabiosa japonica
日本の固有種で、各都道府県においては絶滅危惧種にも指定され、減少傾向にある。
岩煙草:イワタバコ
Conandron ramondioides Siebold et Zucc.
若芽は山菜としても利用される。
黄花山苧環:キバナノヤマオダマキ
Aquilegia buergeriana f. flavescens
日本の固有種。ヤマオダマキの黄花種で、中部の亜高山帯に自生する。
金梅草:キンバイソウ
Trollius hondoensis
中部地方に自生する日本の固有種。
下野草:シモツケソウ
Filipendula multijuga Maxim.
日本の固有種で、多くの都道府県でレッドリストの指定を受けている。
姫虎の尾:ヒメトラノオ
Veronica rotunda var. petiolata
日本の固有種。
麒麟草:キリンソウ
Phedimus aizoon var. floribundus
ベンケイソウ科に属する植物の一種で、特に四国などにおいては絶滅危惧Ⅰ及びⅠA類に指定されている。
髭剃菜:コウゾリナ
Picris hieracioides
これらの植物は、海外産の園芸植物とは異なり、大胆に大きく咲き誇ることはありません。しかしながら、その繊細さや仄かな美しさは、どれをとっても大変に魅力的で、自然が創り出す色彩とフォルムは不思議な引力を持っています。人間が生み出したものではないのに、一体なぜこんなにも美しいのだろう、といつも思います。そして、これらの植物を観察することを、そのまま「植物観察」と呼びます。
②”なぜ”を知るのが楽しい
なぜその植物はそこに咲くのか、なぜその植物はその色をしているのか、なぜその植物は奇怪な見た目なのか、これらの「なぜ」を積み重ねて調べていくうちに、確かに答えのようなものに辿り着くことがあります。
しかし植物を専門的に研究しているわけでもない一般人にとって、そんなことは日常生活の役に立ちません。コミュニケーション能力が向上するわけでもないし、明日の生活が変わるわけでもありません。ですが、植物を観察することは、確実に、自分の目を通して見る世界の解像度をあげていくことに繋がります。これは間違いありません。
そして、植物を自身の目で確かめることは、姿や形、生態に多様性があることを知ることにもなります。
なにも高山に赴いて高山植物を観察する必要はなく、道端に存在する誰にも知られない植物を観察するのだって、立派な植物観察になります。誰かに踏みつけられている雑草にも、小さな宇宙が広がっていることもあるのです。そんな「小さな」世界に、自分だけの何かを見つけてみてください。
参考:「花と山野草の魅力」
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