2018年11月9日からQUEENを追った映画が公開されている。
今日のブログはそんなQUEENの深掘りと、映画・ Bohemian Rhapsodyを観た個人的感想を書き尽くす。
①QUEENとは
QUEEN。
まさに生ける伝説としてハードロック(以下HR)に名を刻んだバンドである。
Aerosmith、KISSと並びHR御三家と称されるこのバンドは、イギリス・ロンドンでスタートした。
フレディ・マーキュリー(Vo.)
ブライアン・メイ(Gt.)
ジョン・ディーコン(Ba.)
ロジャー・テイラー(Dr.)
からなるバンドだが、彼らの音における特徴は、ギターを何重にも重ねたオーケストレーションと、フレディ、メイ、ロジャーが声を重ねる言わばオペラ的なコーラスにある。
QUEENのデビュー当時、Led Zeppelin、Deep Purpleという二大巨頭がロック界の頂点に君臨する中、母国イギリスでは「ハードロックなのに小細工が多い」と酷評され、グラムロックバンドというように見られる動きもあった。
世界的にヒットを飛ばしてきたバンドだが、特に日本においては驚異的なセールスをあげ、日本そのものとも非常に親しい関係を続けてきたバンドでもある。
②QUEENの楽曲
QUEENの楽曲には多くの人が知る曲がたくさんある。
その筆頭がタイトルにある「Bohemian Rhapsody」であり、I was born to love you、We are the championなどだ。
QUEENをよく知らない方も、曲を聴けば「あぁ、このバンドね」と思い出せるレベルのロックバンドではないだろうか。
上述したLed Zeppelin、Black Sabbathなどよりも「理解しやすい」ロックの構造で作り上げられた楽曲は、枚挙に暇がない。
そして今回の映画が公開される以前より、私が大好きだったQUEENの楽曲が「Bohemian Rhapsody」である。
このBohemian Rhapsodyは1975年に発売されたアルバム、A Night at the Operaに収録された曲の一つだ。
QUEENの楽曲では、有名な「I was born to love you」や「We will rock you」、「We are the champion」と比較すると、このBohemian Rhapsodyは非常に実験的な要素が詰め込まれていることが分かるだろう。
③Bohemian Rhapsody
「ママ、僕はたった今人を殺してきたんだ」(Mama, just killed a man)からスタートする本編。
ショッキングな内容を含んだリリック、音楽的構成も「これ以上のものはないのではないか」と思わせる質感と量で、QUEENをQUEENたらしめるこの曲。
アカペラ、バラード、オペラ、ハードロック、バラードと帰結する「起承転結」のはっきりした歌は、世界中を探しても見つからない。
Led ZeppelinのStairway to Heavenと並んで「難解」と称されるこの曲だが、この曲にはVo.フレディ・マーキュリーの生き様、精神が投影されているように思えてならない。
フレディ・マーキュリーは知られている通りゲイであり、美術学校を首席クラスで卒業している。そんな「優秀」な自分と、溢れるような才能の「爆発」の対比が描かれた曲のように思う。
そしてフレディ本人が、「Mama, just killed a man」と歌ったのは「Man=優秀な自分」ではないか、とずっと思っている。
その「葛藤」こそが、この曲の構成、つまりは起承転結のはっきりした劇場型楽曲に顕れているのではないか。
「Mama, just killed a man」はバラードで進行し、その後社会的な圧力と闘っていく様が、「スカラムーシュ、ガリレオ、ファンダンゴ、ビスメラ」などという固有名詞に顕れ、社会的制度や権威の象徴として描かれているような気がしてならない。
そして「風は吹く」と閉められる。是非一聴してほしい。
④映画・Bohemian Rhapsody
この映画はめちゃくちゃ面白い!!!
一言で言えば「強い」映画であると確信した。伝えたいことを一つにし、そこに焦点を絞り込み、それを正面から伝えてくれる映画であった。
実際のQUEENの史実とは少し改変が見られ、それが批判の的にもなっているようだが、上述したように映画内で描き切られる実際のライブ、Live Aidに向かうための改変であるから、特に問題は感じなかった。
「自分が自分であること」
を肯定してくれる映画で、それは劇中に描かれるLive Aidがその確信の場として設けられているからだ。そしてLive Aidでは「自分が自分であること」の再肯定を行い、観る者に軽薄ではない勇気や希望を与える。
以下ネタバレ
特筆すべきはなんといっても最後に配置されたLive Aidのシーンだろう。ホンモノのQUEENのそれに限界まで近づけたカメラワークと役者陣の作りこみには心底脱帽。本当に彼らがよみがえったような気持ちになった。
それと同時に彼らが今もなお生き続けていたら、どんな景色を見せてくれたのだろう、とも思った。
ストーリーの中心にくるアルバムははやりBohemian Rhapsody収録のA night at the operaで、あのアルバムがいかにすさまじい力を持ったアルバムだったかを再認識させられた。
私が高校当時にB’zというバンドからさまざまな海外のバンドを聴き始め、そのことで周囲との乖離のようなものは確かに起きていた。しかしこの映画はそんな私の過去そのものさえ肯定してくれる映画だったように思う。
フレディが80年代にゲイであることで起こる社会との葛藤や、目をそむけたくなるような真実も、逃げずに描き切り、なおかつAIDSによる「死」を涙の材料にしないその姿勢が素晴らしかった。
とにもかくにも2018年のベストワン映画だと惜しみなく言える。フレディ・マーキュリーは奇跡の人で、QUEENは奇跡のバンドだと確信した。
はやり私はロックが大好きで、離れられない。
是非、劇場でウォッチすべし。
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