私の花の師匠より水葵(ミズアオイ)が咲いているとの報告を受け、山梨県内の川にその花を見に行ってきました。
水葵(ミズアオイ)
Monochoria korsakowii
環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類
山梨県RDB:情報不足(DD)
このミズアオイは淡水性の抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ:根が水中にあり、茎や葉を伸ばして水面上に出る植物の総称)の一種であり、一年草です。そのため、種子が水中にこぼれ落ちることにより個体数を維持、あるいは増加させていると考えられます。しかしながら、見に行ったこの水路はトラクターによる大規模な草刈りが行われ、数多くの水中植物が刈られてしまっておりました。
一年草のミズアオイにとっては「種子が散布される前」の草刈りは、個体数の減少に拍車をかけていることと思われます。
また、山梨県内ではそもそも生息域が狭く、現時点のRDBでもDD(情報不足)にカテゴライズされています。今後の生育が懸念されることは言うまでもありません。
加えて、湿地性あるいは水草と呼称される植物は絶滅危惧種(RDB)にカテゴライズされてしまうものも少なくありません。その要因は、在来水草が生育できるような環境が、人間によって失われたことが挙げられます。田園の整備などにより、コンクリートで固められた畔などが増加し、都市開発によって埋め立てられる池なども多いゆえに、生育できる環境が奪われました。
また、除草剤や農薬などがため池や河川に流入してしまうことによって、在来の植物が減少し、外来の植物が繁茂してしまうことも遠因の一端となっています。
いずれにしても、貴重な植物を守るために「正しい」選択をしていきたいものです。