Bonsai & Plants

【樹種別】クロマツの育て方

【樹種別】ミニ盆栽の育て方

【黒松:クロマツ】
Japanese Black Pine
Pinus thunbergii Parl.

 


黒松(引用:樹木図鑑

クロマツはマツ科マツ属の常緑樹。雑木類のモミジと並び、盆栽の代名詞とも呼べる樹種です。暑さと寒さ、乾燥にも強く、初心者にも育てやすく、管理しやすいため、The Bonsaiとしての格を持つようになりました。盆栽に利用する松類には主に、

・クロマツ
・アカマツ
・ゴヨウマツ
・カラマツ
・エゾマツ
・ニシキマツ

などですが、その他にもヨーロッパアカマツ、ハイマツなどが存在し、世界には約200種の松が存在するとされています。

中でも黒松は海岸沿いに自生することが多く、強い潮風に耐えながら幹を曲げている姿は、日本の古風な景色の象徴的存在です。

 


【基本の育て方】

クロマツは基本的に「強い樹種」の一つとされ、初心者にも管理・培養しやすい素晴らしい樹種です。

重視したいのは日光で、屋外を基本として管理します。朝から夕方まで、一日を通して直射日光が当たる場所に置きます。加えて、風通しを確保することで、その生育を助けます。寒さ・暑さにも強いため、特別な保護は必要ありません。ただし、冬の間に鉢内部の土が凍ってしまうくらいのミニ・豆サイズのものは寒風を避けて管理します。また、黒松の盆栽を構成していく上で欠かせないのが「芽摘み」「芽切り」となります。(下記参照)

 


【基本の水やり】

松類は、雑木類(モミジ・ケヤキ等)よりもやや乾かし気味に育てるのがベターで、表土のみならず、鉢の内部がある程度乾いてから灌水します。ただし、ミニ・豆サイズの場合は、土が少ないため、雑木類と変わらない灌水スケジュールで構いません。

春・秋は一日に一回程度、冬はニ~三日に一回程度の水やりをします。真夏は朝晩の二回、乾きやすいようであれば三回に増やしても構いません。

また葉水(葉にも水をかけること)を積極的に行うことで、病原菌から守ることに加え、松の特徴である表皮の荒れが出てきます。

 


【施肥】

4月頃から10月頃まで、油カスなどの固形肥料を断続的に与えます。完成樹の場合は、控えめでかまいませんが、生育段階の樹には多肥培養を心がけてください。

 


【芽摘み】(4月~5月)

クロマツの芽摘みは、小枝を充実させるために行います。一方で、芽切りは、針葉を短く整える(短葉法)ために行う作業で、その全てがマツの盆栽作りには欠かせません。

芽摘み

クロマツの芽摘みは、主に4月以降に出てきた新芽を3分の1ほど残してカットします。この作業を行わないと、一つの芽からひとまとまりの針葉しか出ず、いつまでたっても小枝が増えません。つまり、枝分かれをさせるために芽を摘みます。

 


【芽切り】(6月~7月)

クロマツの芽切りは、主に針葉そのものを短くする(短葉法)ために行うものです。芽摘みで摘まずに伸ばしておいた新梢(新しい枝)を剪定し、更なる二番芽を増やす方法です。

芽切り

この芽切りは基本的に芽摘みを行わなかった新梢にかけるもので、既にある葉が伸びすぎないように調整する役割を果たします。

 


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