【小楢:コナラ】
Oak
Quercus serrata
コナラ(引用:Wikipedia)
コナラ(引用:e-bonsai)
盆栽に利用されるのは、
・コナラ
・ミズナラ
などの楢類の他、
・カシワ類
・シイ類
・カシ類
などがあり、街でよく見かける「ドングリ」からも素晴らしい盆栽を仕立てていくことが出来ます。
その一方で、これらの木々は、枝が暴れやすい傾向にあり、盆栽として見られる形にするにはやや知識がほしいところです。また、ドングリを発芽させ、実生から仕立てていくプロセスも大変面白いので、是非行ってみてください。(下記参照)
【基本の育て方】
ナラ類、シイ類、カシ類、カシワ類は、基本的に風通しが良い場所で育てます。水も日光も好む樹種ですが、乾燥には大変強いため、初心者にも向く樹種の一つです。ただし、枝が暴れ、間延びしやすい傾向があるため、繊細な芽摘みと紅葉後の剪定は必須です。
【基本の水やり】
春・秋は一日に一回程度、冬はニ~三日に一回程度の水やりをします。真夏は朝晩の二回、乾きやすいようであれば三回に増やしても構いません。これらのシイ類等は乾燥に強い樹種ですので、過湿には注意します。
【施肥】
これらのナラ類は山の樹ですから枝が暴れやすい傾向があります。その為肥料は基本的に控えめとします。4月頃に一度、9月頃に一度を中心として、油カスなどの固形肥料を与えます。培養の様子で液肥を与えても良いでしょう。
なお、実生から仕立てている段階で、胚珠を切らずに残している状態の場合、施肥は殆ど必要ありません(一年目のみ)。
【芽摘み】(4月~9月)
これらのドングリ系樹種は、枝が真っすぐに伸びていく傾向が強く、ほったらかしの状態ではたちまち樹形を崩していきます。その為、成長期である4月以降は、細かい芽摘みを繰り返し、小さく仕立てていく必要があります。
芽摘み
また、この芽摘みは「芽を摘む」というよりも、一旦伸ばした枝(太らせるために)を剪定するという作業に近くなります。ですからモミジやケヤキ、カエデとは異なりますので注意が必要です。加えて、立て替える必要のない芽は新梢として伸び出す前に摘みとってしまいます。
【葉刈り・葉切り】(6月~)
ナラ類は特に一つの芽から5葉ほど葉が展開することもあります。その場合は、二番芽や懐芽に力をつけてあげるために、葉刈りや葉切りを行うことがあります。
葉刈り・葉切り
この葉刈り・葉切りの作業では、一つの芽に付く葉を2~3枚に減らし、新しい葉(小さい葉)と同じ大きさに葉を切ります。このことによって、風通しと陽当りを改善して、新たな芽を出させます。