小敦盛草(コアツモリソウ:Cypripedium debile Rchb.f.)はラン科アツモリソウ属に属する多年草。
環境省RDBでは純絶滅危惧種(NT)に指定され、私の住む山梨県ではⅠB類に指定されている。生育環境としては、直射日光の当たらない林床で、山梨県においては富士山麓周辺のみに生育が確認されている。
お顔を少しだけ拝見すると、確かにアツモリソウの片鱗を垣間見ることができ、小さいながらも立派な存在感があった。
また、葉は下図のようにフタバラン属に似た形状をしており、その葉の下に小さな花をつけるため、大変写真を撮りづらい被写体であった。
いずれにしてもアツモリソウ属の植物は、その美しさと可愛らしさから盗掘の対象になりえている。こういった行為は犯罪であることに加え、生態系の破壊に繋がりうるため、現に慎みたいところだ。
また、この日の散策では蜘蛛切草(クモキリソウ:Liparis kumokiri F. Maek.)も確認できた。
クモキリソウはラン科クモキリソウ属の多年草で、山地の疎林などに生育する。花は花茎の上部に総状に付き、5~15個ほどの花を付ける。この種類のランも、コアツモリソウと同じく薄暗い林床に生育し、日光はそこまで届かなくとも生育するようである。
いずれにしても、数少ない山の宝石、大切にしていきたい財産の一つである。
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