山梨の山野草・高山植物

偶然のイチヨウラン

 

2023年5月某日に山梨県側の奥秩父山地へ源流釣りに行った。

そこで偶然見かけたのが、この一葉蘭(イチヨウラン)である。

イチヨウラン(Dactylostalix ringens Rchb.f.)はその名の通り、葉を一枚だけ付ける野生ランの一種である。数多くの都道府県で絶滅危惧種に指定され、山梨県においてもRDBでは絶滅危惧ⅠB類に指定されている。

また、日本固有種であり、一属一種のランとなる。元々極めて希少なランであるのに加え、盗掘の被害にも遭っているいるため、個体数は減少していると考えられる。

この日の源流釣りでは天気があまりよくなく、一眼レフを持って出かけなかったため、スマートフォンでの撮影となってしまったのが悔やまれるが、それでも出会えたことが幸運であった。

また、水しぶきがかかる林床には大量の二輪草(ニリンソウ)が大群落を形成しており、踏まないで歩くのは難しいほど茂っていた。このニリンソウを以て、2023年はイチリンソウ、ニリンソウ、サンリンソウの総てを観たことになる。

その他、こちらの深山延齢草(ミヤマエンレイソウ)も個体数は少ないが生育しており、奥秩父の豊かさに感激した。

残念ながら、この日の源流釣りでは、前日に入ったであろう釣り人が大量のごみを残し、それが滝の近くに散乱していた。こんなことをする輩は山に入る資格がない。非常に悲しい気持ちになった。

 


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