ホームセンターや植物園、あるいはネットショップなどで購入した植物を増やしたいと思ったことはありませんか。そんな時に利用できる方法は主に4つあります。
それが「挿し木」「取り木」「根伏せ」「種まき」です。全て「新しい株」を必要とせずに、あるものから新しい株を増やすことが出来る方法です。前々回は「植物の増やし方①挿し木」で挿し木の方法を、前々回は「植物の増やし方②取り木」で取り木の方法をお伝えしました。今回は「根伏せ」についての方法です。(※種蒔きは秋頃の配信です)
①根伏せとは
先に結論から申し上げますと、この「根伏せ」は「取り木」と並び、「挿し木」よりもやや難易度が高い増殖法になります。厳密には「挿し木」の一種とされていますが、根伏せは切り取った根から発根・発芽させ、新たな株を作ることを指します。
「挿し木」との違いは、根本的に指す部分の相違に加え、将来的な樹形を「株立ち」にするために行うという点です。
盆栽樹形の一つ:株立ち
②準備するもの
準備するものは基本的に「挿し木」と同じく、
・挿し床
・挿し穂(挿し根)
となります。
「挿し床」に関しては、一般的に植物が育つ用土で構いません。オススメの用土は「鹿沼土:赤玉土」(3:7)です。
その他ホームセンターなどでは「挿し芽・種まき用土」も販売されていますので、それを活用するのも手です。
③根伏せのいくつかのやり方
①でご紹介したのが「根伏せ」の基本的なやり方ですが、その他にも根を切り取らずに、そのまま活用して別株を仕立てるやり方もあります。下図をご参照ください。
ただし、④でも記すように、やはり挿し木に比べますと発根率は高くありません。また、ミニ盆栽の場合、根伏せをかけやすいのは「長寿梅・カイドウ・バラ・ロウヤガキ」系統の品種がやりやすい品種です。加えて観葉植物のモンステラなどもこの方法で増やすことが出来ます。
④時期と注意点
まず、注意すべきポイントは
・乾燥させない
ということです。挿し木、取り木、根伏せのいずれに関しても、やはり乾燥は大敵となります。また直射日光に当ててしまうと、乾燥しやすくなりますので、発根・発芽が確認できるまでは半日陰で管理してください。
また、挿し木に比べますと、どうしても発根率が低くなり、成功率も低くなります。
6月は挿し木、取り木、根伏せ、共にやりやすい月ですので、ご自宅で是非植物を増やしてみてください。