Bonsai & Plants

毎春芽吹く、宿根草の深い魅力

 

 

宿根草とは

盆栽としての宿根草

盆栽に利用される宿根草

 

宿根草とは


キンバイソウ(多年草)

まず植物(主に草類)を大きく二分すると、

・一年草
・多年草

に分けることができます。

・一年草とは
種子が発芽し、開花~結実までのサイクルを一年で終え、枯死する植物です。つまり、その年で死んでしまう植物を指します。代表的なのは「ケイトウ・朝顔・マリーゴールド・コスモス」等です。

・多年草とは
一方、一年草がその年で命を終えるのに対し、季節が変わっても枯れることなく、毎年花を咲かせる植物を総称して多年草と呼びます。代表的なのは「チューリップ・水仙・ラベンダー」等です。

そしてその多年草の中でも、特に「秋~冬に地上部(花や草)が枯れるが、根は枯れずに残り、来春再び発芽・開花する」植物を「宿根草」と呼びます。

宿根草の魅力は、やはり地上部が枯れても次の春に再び芽を出すその仕組みそのものです。また、しっかりした管理をすれば、徐々に増えていくのもこの宿根草の魅力の一つです。

 

盆栽としての宿根草


そしてこれらの宿根草は、草もの盆栽として利用することができます。一年草は、もちろん一年で枯れてしまいますが、毎年咲き、毎年のように古くなっていく宿根草は、大変優秀な植物といえます。

 

盆栽に利用される宿根草


盆栽に利用される宿根草は、主に日本(アジアの場合も)を原産とする山野草が多く、その多くに「漢字」がつけられています。英名の存在する園芸植物(ラベンダー等)を草もの盆栽にしてはいけない、という決まりはありませんが、やはり日本文化としての側面を持つ盆栽としては、日本の植物(:山野草)が相応しいと思います。

縞蔓穂(シマツルボ)

吾亦紅(ワレモコウ・引用:e-bonsai

山辣韭(ヤマラッキョウ・引用:e-bonsai

屋久島笹(ヤクシマササ・引用:e-bonsai

これらの他にタンチョウソウやギボウシ、セキショウ、ツワブキ、ダイモンジソウ、タツナミソウ、スミレ、紅チガヤなどが用いられることがあります。これらはいずれも宿根草(あるいは多年草)ですから、次の春にも再び芽を吹きます。

また、樹木の盆栽と決定的に違うのは「植え替えをしてはいけない」ということです。通常の樹木盆栽が1~3年に一度植え替えをするのに対し、この草もの盆栽は植え替えを行いません。それは、地上部が枯れてしまうことで古さが更新されてしまうからです。

「古さ」というのは盆栽において大変重要な要素です。樹木は消えることなく、時間を経れば時間を経ただけの「時代」が乗ります。しかし草ものには乗らないため、株そのもので古く持ち込むことが大切です。

是非とも宿根草を草ものとして育ててみてください。知らない発見があるかもしれません。


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