【山毛欅:ブナ】
Beech
Fagus crenata
ブナ(引用:森林・林業学習館)
(引用:遊恵盆栽)
ブナはブナ科ブナ属の落葉広葉樹。通称を「森の女王」と呼び、森林にとっては欠かすことのできない樹木の一つです。盆栽に利用されるのは、
・ブナ
・イヌブナ
・富士ブナ
などです。その漢字の通り、新芽が展開する春頃の葉は、細かい葉に覆われ大変綺麗です。
【基本の育て方】
ブナは深山性の性質を持つ陰樹ですが、盆栽として仕立てていくには、やはり日光を当ててあげる必要があります。自生するのは亜高山帯ですので、寒さにめっぽう強いですが、夏の西日には弱いため注意が必要です。風通しは確保するのが大前提です。
加えて、新芽はそこまで旺盛とは言えず、その位置もやや分かりにくい傾向があるため、仕立てていくのはやや難しい樹でもあります。
【基本の水やり】
ブナは大変水を好む樹種の一つです。真夏の暑い時期に水が切れてしまうと、葉が丸くなり葉焼けを引き起こします。
春・秋は一日に一回程度、冬はニ~三日に一回程度の水やりをします。真夏は朝晩の二回、乾きやすいようであれば三回に増やしても構いません。
【施肥】
ブナは直立性の性質を持ち、新芽が強く伸びる傾向があります。その為、肥料は控えめが基本で、4月の新芽展開後に一度、9月~10月の黄葉前に一度程度で十分です。施肥期間以外のタイミングで、液肥を与えるのも有効です。
元肥としてマグァンプKを施肥しておくのも効果的です。
【芽摘み】(4月~)
ブナの芽は3月後半~4月にかけて出てきます(=新芽)が、基本的には二番芽(=夏芽)に立て替えずに冬まで持ち込むことを基本とします。
また、山の樹でもありますので、枝の上部や新梢が暴れやすい傾向を持ちます。その為、二番芽のほとんどは摘みとってしまうことを推奨します。不必要な芽は積極的に摘み、枝として作っていく新梢も2~3節残してカットしてください。
しかし、新芽の出(で)は旺盛ではありませんので、全葉を剪定しないように注意します。
芽摘み
【剪定】(11月~)
黄葉後には、剪定を行います。しかしながら、太枝を強剪定してしまうと、冬にかけてヤケが入り、ブナの特色である美しい白い肌に傷をつけてしまうことになります。その為、芽摘みで摘みきれなかった細枝を中心に、全体のバランスをとりながら剪定をします。
また、針金をかけてしまうと、同じように枝や幹に傷がついてしまいますので、可能な限り鋏作り(ハサミ作り:ハサミのみで剪定をしていくこと)で樹形を作っていってください。