FASHION

実は知らないタータンチェック

 

タータンチェックは不思議な柄だ。ギンガムチェックと並んでその知名度は抜群でありながら、タータンチェックは実は歴史的背景などが深い。

皆さんは「タータンチェック」に関して、どのようなイメージをお持ちだろうか?伝統的?それともパンクっぽい?今日はOMOTE TO URAが「タータンチェック」に関することを深掘りしていきたい。

 

 

①タータンチェックとは?

②タータンの権威

③超権威的な柄なのにパンク?

 

 

①タータンチェックとは?


そもそもタータンチェックとは一体どんなものなのだろう?柄の名前なのか、はたまた生地の名前なのか、織り方の名前なのか、知っている方はいるだろうか?

実はタータンチェックの定義は「多色の糸で綾織(※下記参照)にした格子柄の織物」で、民俗文化との結びつきが大変強いとされる。(※綾織:英語では「ツイル」と呼ばれる織組織の一つで、経糸が2本または3本の緯糸の上を通過した後、1本の緯糸の下を通過することを繰り返して織られたもの)

上図は多くの方が想像するタータンチェックであり、主に深い緑や赤色を使用されていることが多い。

このタータンチェックの歴史は長く、遡ればスコットランドのキルトにたどり着く。通常のキルトはほとんどがタータンチェックによって仕立てられており、よく言われるのが「日本で言う”家紋”の役割を果たす」というものだ。

地域性や特定の企業だけが利用できるタータンもあり、16世紀(タータンが定着した時代)には無地のものもタータンと呼称されていたとされる。

1746年にはスコットランド・ハイランド地方での反乱が鎮圧されると、当時の政府はタータンチェックの着用を禁じたこともあり、タータンチェックは常に政治的背景を持ちながら、今日に至るまで着られていると言える。

 

 

②タータンの権威


①で記したようにタータンは当時のスコットランド政府により「ハイランド・ドレス禁止法」(タータンチェックは着用禁止)をうけ、時の人々はタータンチェックを着ることができなくなった。

その一方で上記法律はイングランドやその他の海外植民地には適用されなかったため、人々は英・ロンドンで上記法律の撤廃を求めた。その結果1782年にその法律が撤廃され、当時の王族などがタータンチェックを着用し始めたことでタータンは再び復興していくこととなる。

勘のいい方はお気づきかもしれないが、この動きによってタータンチェックはロンドンへと運ばれ、後に「パンク」に利用されていくこととなる。

またヴィクトリア女王はタータンを愛し、女王一家はタータンをよく着用した。しかし権威主義的タータンチェックを重要視する者達からは、タータンチェックの伝統や権威を商業主義に貶めたという批判もあった。現在では原則的に王族しか着用することのできない”ロイヤル・タータン”なるものもある。

 

加えて「タータンチェック」には厳密な伝統的文化の側面もあり、スコティッシュ・タータン・ソサエティ(STS)やスコティッシュ・タータン・オーソリティ(STA)などといった団体が設立され、2008年にはスコットランド・タータン登録法なる法律も制定された。現在ではスコットランド・タータン登記所が存在し、ここに登録されていないものは「タータンチェック」を名乗ることができない。

 

 

③超権威的なのにパンク?


①~②で説明したように、タータンチェックは伝統文化の側面と権威主義を象徴する柄物である。しかし現在ではそのイメージは「パンク・ファッション」に寄ることもあり、相反する二つのイメージがタータンには付きまとう。

若い人では「パンク」のイメージの方が強いかもしれないが、そもそもそのきっかけはセックス・ピストルズやクラッシュ、ベイ・シティ・ローラーズといったパンクバンドと、デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドがつくり出した流れだ。

特にピストルズは「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を発表し、エリザベス女王に象徴される権威主義や伝統といったものに風穴を開けることを目論んだ。

またヴィヴィアン・ウエストウッドはマルコム・マクラーレンと共に、タータンの認識を自身の着用する服、ショーの中で大きく破壊していった。

ヴィヴィアン・ウエストウッド(写真右・引用:https://www.pinterest.jp/より)

特に暖色系のタータンチェックは伝統的タータンチェックにはあまり使用されていなかったもので、パンクの生んだ流れの中で大きくなっていった。そしてその「パンク・タータン」のプロセスの中で日本のブランドであるジュンヤワタナベコムデギャルソンやアンダーカバーなどが、パンクやタータンをそのモチーフにすることも多い。

JUNYAWATANABE CdG(引用:https://www.fashion-press.net/より)

つまりは「タータンチェック」はクラシカルに着用するのも、パンキッシュに着用することもできる面白い柄だ。秋冬になるとなぜか手にとってしまう、可愛い要素もカッコいい要素もはらんだタータン。是非着用してみてほしい。

 


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ワダアサト
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