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レミオロメンを聴く

 

「粉雪」「3月9日」などの楽曲で広く知られているバンドに「レミオロメン」がいる。2012年に突然の活動休止を宣言し、その後再結成は叶っていない。現在は3人それぞれがそれぞれの音楽活動を行っているという状況だ。

今日はそんなレミオロメンについて、山梨に本社を置く弊社が、広く包括的に彼らを深掘りしていきたい。

 

 

①レミオロメンとは

②祝!サブスク解禁!

③レミオロメンの描く世界

番外編:隠れた名曲No.10

 

 

①レミオロメンとは


まずこの文章を書くにあたり、気をつけなければいけないのは、私のような山梨出身の者が思う「当たり前」は当たり前ではないということだ。レミオロメンは藤巻亮太《Vo.》、前田啓介《Ba.》、神宮司治《Dr.》からなるバンドで、それぞれが全員山梨出身者だ。

2009年に発売されたベストアルバム「レミオベスト」(下図参照)は、山梨県内に住む、私の世代(20代中盤)のほとんどが持っているアルバムだった。

レミオベスト(引用:http://www.remioromen.jp/より)

レミオロメンの勢いは山梨において凄まじく、地元が生んだスーパースターだった。そしてそれ故に、ここからは山梨県人は読む必要がない。②へどうぞ。

そもそもレミオロメンとは藤巻亮太がレディオヘッドの頭文字「レ」、神宮司治が当時の彼女の名前と自分の名前の頭文字「ミオ」、前田啓介が路面電車の「ロメン」をとって、つなぎ合わせてはじまったバンドだった。

その後は初期~中期からのMr.Childrenサウンドを支えた小林武史などがサポートに就任し、商業的ヒットバンドとしての地位を築いていった。彼らの人気に火をつけたのは2004年から2005年頃までに発売された「3月9日」「南風」「粉雪」などのシングルで、ドラマ・1リットルの涙などの後押しもあったとされている。

しかし2012年の2月に突然の活動休止を発表。その後はそれぞれが音楽活動をしているとのことだ。

 

 

②祝!サブスク解禁!


そしてそんなレミオロメンが2019年10月頭あたりからサブスクリプション配信を解禁した。Apple MusicやSpotify、AWA、LINE MUSICなどのサービスで、彼らのメジャーデビュー以降の全作品(一部例外あり)が聴けるとのことだ。

しかし、このレミオロメンというバンドは非常に数奇なバンドのように思える。「3月9日」は恐らくほとんどの小学校、中学校で歌われてきたことだろうと察するが、「レミオロメン」を単体のバンドとして考えた場合、あまりに評価が低く、定まらないこともある。

そして今に至るまで聴き続けている熱心なリスナーの存在があまり見えてこない。ジュディマリ、ボウイなど解散した後も圧倒的な普及力とカリスマ力を保ち続けるバンドがあるにもかかわらず、レミオロメンの存在はいまいち解散後、光っているようには思えない。要するに、ものすごく過小評価されているように思えてならない。

だが、はっきり言っておきたい。

レミオロメンはめっちゃいいぞ!!

 

というのも、先日サブスク解禁の話が出る前に友人と「レミオロメン」についての話をしていたからこそ、そんな思いが沸々と沸きあがってきた。そしてサブスク解禁にて、彼らの楽曲を聴くにつれ、それは確信へと変わった。

 

 

③レミオロメンの描く世界


その友人との会話の中で出てきたのが「レミオロメンは田舎出身者のほうが響きそう」というもので、もちろんこれは独断によるものだが、レミオロメンの中核を担うサウンドの作り手が、山梨という地域出身だからではないか、という結論に至った。

フロントの藤巻が描くその世界の真骨頂は「翳り(かげり)」であるように思う。「翳り」とはどことなく影がさし、暗くなったような感じ”という意味を持つのだが、彼らのこれまで発表してきた比較的明るいタイプの歌でも、この「翳り」は常に楽曲と共にある。

そしてこの翳りを歌わせたら、彼らレミオロメンの右に出るバンドはいないのではないか、と思わせる。例えばシングル「蒼の世界」の一節には、

”蒼い影 霧雨に揺れてかげった
尻餅に跳ねた泥 秋が香った
僕ら出会った頃の様に笑えない”
(「蒼の世界」より)

などの表現がある。この傾向は「電話」や「Wonderful & Beautiful」「アイランド」などにも見られるもので、この表現傾向は日本のバンドシーンを辿っても、日本人に広く受け入れられるタイプの抒情性ではないと言える。

この要素は初期~中期にかけて比較的多くみられたものだが、彼らの最新アルバム「花鳥風月」(2012年)でも広く表現されたものだ。

また、季節性や風景、自然的なものから派生する表現もかなり多い。彼らの楽曲タイトル「茜空」「朝顔」「夏の日」や代表的楽曲「粉雪」「Sakura」などからも分かるように、なんでもないものを表現にしてしまうという作業が、ひたすらにうまい。

加えて彼らの楽曲の多くが「一瞬(シーン)を切り取ること」から成立する。つまりは彼らの音は「写真的」であるとも言い換えることができる。今、彼らの音楽を聴きながらこの文章を書いているが、ロックバンドなのに、鳥肌が立つほど心地が良い。

私は「あのバンド聴かないなんて、人生の1/2損している」などとは言いたくないが、「レミオロメン聴かないなんて、人生の1/761損している」とは言える。せっかくサブスク解禁されたのだから、人生の1/761を無駄にしないため、今すぐレミオロメンを聴こう。

 

 

 

番外編:隠れた名曲No.10


※シングルとかではないので、YouTubeに公式動画がありませんでした。

MONSTER
「MONSTER」というタイトルの曲はたくさんあるが、この解釈は素晴らしいとしか言いようがない。「翳り」を見せながらもレミオロメンらしいポジティブさを持ち合わせた曲。

昭和
楽器隊のグルーヴもヴォーカルも、間違いなく昭和歌謡を意識している。しかし今っぽい。初期井上陽水の表現してきたブルースロックのよう。

夢の蕾
もはや隠れていないが、素晴らしい完成度。音はJ-POP的ロック要素でありながらも、極めて壮大で荘厳とした空気を最後まで保っている。

蜃気楼
レミオロメンらしくない楽曲。ポスト・パンク~ニューウェーヴ、ガレージロックっぽい。リフとギターは普通のHR好きも楽しめそうです。

夏前コーヒー
オリジナルのブルースを日本的歌謡曲の要素、ポップスの要素でくるみあげたもの。売れるわけないけれど、藤巻亮太のルーツ、ロックの要素を知るには十二分。

電話
「電話」からこの歌詞を吐き出せるその凄み。情景があっという間に浮かび、リアリティを欠くことなく訴えてくる。「電話」でしかない。

アイランド
レミオロメンの中では解釈が難しいほうの楽曲だが、この曲のファンも多いのでは?アルペジオと藤巻の声が冴えに冴えている。

ビールとプリン
「一瞬を切り取る」天才。とんでもない想像力。会話のない映画的。

五月雨
打ち込みと日本のロックバンドの生々しさ。乾いたドラムスが見事。

フェスタ
レミオロメンのにおいて最も「隠れた名曲」扱いされる曲。ストイックなベースと違和感たっぷりなメロディラインとヴォーカル。

 

 


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次回もよろしくお願いいたします。

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