FASHION

ファッションの歴史第一篇「古代~17世紀」

 

今日から全5回に渡り、洋服の歴史をOMOTE TO URAがご紹介する。

洋服はいったいどうやって誕生し、進化してきたのか。それを知ることで、世界を知り、自分を知ることができる。

 

服って、やっぱり楽しいし面白い。

 

 

①紀元前

②紀元後

③3世紀~10世紀

④11世紀~14世紀

⑤ルネサンス~バロック(15C~17C)

 

 

 

①紀元前


今、日本では全ての人が洋服を、あるいは和服を着用している。つまり、身にまとうものを着ている。

しかしそんな私たちの日々を彩る洋服はどのようにして誕生したのだろう。そのはじまりは、実に紀元前まで遡る。(第一篇は退屈で、面白くないので服が好きな方は第三篇:シャネルの登場以後をお楽しみください。)

 

 

紀元前10万年~5万年頃

ホモサピエンス以前のネアンデルタール人は、外的な「寒さ」から保護するために、獣の毛皮で自身の身体を包んだとされている。

(引用:ナショナルジオグラフィックより)

 

まさにこれこそが「洋服」のはじまりであるが、当然その頃にはその概念は存在しない(と思う)。

また、赤茶色の顔料で身体彩色を行っていたことも分かっている。身体を装飾する方法には二通りの方法があり、

一つが「裸装」で、
直接身体を加工したり、体型を変化させる方法。

一つが「着衣」で、
アクセサリーなどを含む服飾品で装飾する方法。

となる。

 

既にこの頃から東アジア、中央アジアの人々は皮膚に入れ墨をいれていたと考えらえれ、呪術や護符、対敵のための意味合いがあったとされる。

 

 

第四氷河期以降

獣皮から布帛(布のこと)に変わったのは、第四氷河期が終わる頃と推測され、地球が温暖になり定住をし、農耕を行っていくことで、植物の栽培が可能になった。主に亜麻(リネン)などの植物の茎の皮を細く裂いて使用していたとされる。

 

 

紀元前2800~3000年頃

メソポタミアでは民族同士の争いが繰り広げられていた。そして食糧と衣料品を供給する家畜は重要な位置づけにあり、男性中心の社会が形作られていた。女性は男性に従属し、この頃には「容姿」が女性における価値づけの条件となっていた。

そしてメソポタミア北部のアッシリア人は首飾りや装飾品を呪術のために身に着け始めた。

 

またギリシャでは男性と女性の衣服に差が出てきたとされ、当時の文明と衣服は密接な関係となりはじめる。そして同時期、身分によって衣服が変わったとされている。

(ウルのスタンダード、紀元前2600年頃
 出典:https://www.museumanote.comより)

 

 

 

②紀元後


1c~2c

ローマではローマ帝国を統一するためにキリスト教が公認されるようになる。この頃の代表的な衣服がトガで、色や縁飾り、巻き方などが厳格に定められており、それによって社会的な地位を示していたのではないかと考えられている。


(トガ 出典:Wikipediaより)

 

このトガの特徴は、身体に布を巻きつける形状で、ラテン語で「覆う」を示す。素材は麻の他にウール(毛)で、この頃には既に紡績技術が誕生していたという仮説もある。映画、テルマエロマエで出演者が着ている衣装を思い浮かべてほしい。

(出典:テルマエロマエ公式HPより)

 

 

 

③3世紀~10世紀


395年

ローマ帝国は東ローマ帝国(現トルコ)と西ローマ帝国に分類され、そのことによって欧州独自の服飾文化が形成されることになる。また、この頃には絹(シルク)が生産されるようになっていた。

 

800年

フランク王国(現フランス)は、フランク族の財産を分割する目的でイタリアと東西フランク王国へと分離され、同時に現在の衣服の基本形となる上衣(ジャケット)とズボンの組み合わせが生まれる。

また、前出の映画・テルマエロマエでも描かれているように、当時の女性は髪の毛の手入れを行い、化粧も行ったとされる。入浴も美容のために欠かすことのできない習慣となっていた。

 

 

 

④11世紀~14世紀


西ヨーロッパでは中央集権化が進み、フランス、スペイン、イギリスなどの王国が形成され、「王様の時代」へとシフトする。特にイギリスでは毛織物に関連する技術が発達し、西欧の衣類は完全にウール中心へと変わった。

11世紀~12世紀にかけては、薄手の麻、絹中心だったが、13世紀以降はウールが中心となり重厚で構築的な衣服が誕生した。

その背景には裁断、縫製技術の発達があったとされる。

13世紀以降の女性はシュミーズを着用し、その上にコット(cotte:コートの語源とされる)を着用していたと考えられている。

 

14c

14世紀になると、毛皮が欧州諸国へ輸入されるようになり、技巧的で洗練された衣服が誕生する。また織物の技術もあがり、様々な織の種類が開発されたと考えられている。

また、百年戦争をきっかけにし、ミリタリー(軍服)が一般の市民服へと影響を与え始めるのもこの頃で、

上衣:コタルディ

下衣:ショース

という現代の男性服の原型となる衣服が発明される。

このことによって、衣服における男女差は明確になった。

 

 

 

⑤ルネサンス~バロック(15c~17c)


ルネサンスとは

14世紀、イタリアで古代彫刻の発見を契機に、古代ギリシャ・ローマの古典文化の価値観が見直されるようになる。人間性の豊かさや、合理的なものの考え方を追求しようとする人文運動であり、再生、復活を意味するルネサンスと呼ばれるようになる。

建築ではブルネレスキ(Brunelleschi)、絵画ではダヴィンチ(Leonardo da Vinci)、ミケランジェロ(Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni)、ラファエロ(Raffaello Santi)などが輩出された。

(da Vinci 出典:http://artmarketingsecrets.comより)

 

また、これらの芸術家を保護したのは、フィレンツェ共和国で実質的支配者となっていたメディチ家とされる。

そしてルネサンスの中心はキリスト教の中心であるローマや、東方貿易の恩恵を受け発展したヴェネツィアへと移行していく。

 

16C

ルネサンス以前、生活を支配していたのは神(=キリスト教)であり、衣服は罪深い人間の身体を隠すためのものだった。

しかしスペインのフェリペ二世に代表されるように、欧州は絶対王政の時代に突入した。王が力を持つことでキリスト教は衰退し、封建的な社会制度は崩壊していった。

衣服は「隠す」という道具から、地位や権力、財力を誇示するための道具へと変化し、その一つの象徴としてジュエリーを身に着けるようになった。

 

つまり、

中世:着心地やいかに動きやすいかという機能性重視

ルネサンス:装飾、シルエット重視で動作がしにくく、着脱に時間のかかる服重視(下図参照)

となった。重要なのはどれだけ着飾れるか、装飾できるかであり、ファッションの中心は王にあった。

(フランソワクルーエ「シャルル9世の肖像」)

 

(ジョージガワー「エリザベス一世」)

 

 

17C

16世紀に最盛をきわめたルネサンスは17世紀にかけて、バロックと呼ばれる芸術様式へと変化していった。

ルイ14世(下図参照)が強大な権力を誇示するようになり、ヴェルサイユ宮殿が建築され、実質的実験を同人が握った。

当時のスペインはキリスト教におけるカトリックであり、そのカトリックからプロテスタント派のオランダが独立する。

ルネサンス期はパットで着飾り、ふくらんでいたシルエット(上図参照)だったが、オランダがファッションを主導することで、パッドは控えめになっていった。(=オランダモード)

(ボナール「ルイ14世」)

 

またこの絵で描かれている首元のクラヴァットがネクタイの原型とされる説もあり、

⑴恋人や妻からの贈り物

⑵防寒などに使用され、兵士の所属部隊の標識の役割

を果たしたとされる。

 

 

17C後半

この頃には完全なルイ14世の時代となり、オランダ、イギリスにおくれをとっていたフランスが絶対王政を確立させ、経済政策を推進することとなる。

当時シルクの先進国だったイタリアから職工を誘致し、フランスにおけるシルク、毛織物産業を発展させていくことになる。

 

そしてフランスではいよいよフランス革命、イギリスでは産業革命が起きる。

 

次回はフランス革命~第一次世界大戦までとなる。日本に洋服が持ち込まれたのもこの頃で、その後にシャネルやディオールなどのデザイナーの確立、パンクとファッション、黒の衝撃などが興る。どうぞお楽しみに。

 

 

 

参考文献

「改訂版・西洋服装史 文化服装学院編」
石井雅子 朝日真 鈴木教子
文化出版局 2012

「西洋服装史」
石井とめ子
衣生活研究会 1995

「モードの歴史」
T.R.ウィルコックス
文化出版局 1979

「ファッションの歴史」
千村典夫
平凡社 1969

 

 

 


この度はブログをご覧いただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いいたします。

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5 Comments

  1. 服の歴史には興味はなかったけど、読んでみたら意外と初めて知ることが多すぎて、面白かった。西洋のドレスのようなものは映画とかで何度も見たことがあるけど、それが政治や当時の体制と繋がりがあることが驚き。

    1. コメントありがとうございます。ファッションの歴史は総じて時代とその時代の政治や人々の生活などをあらわすものです。ぜひ、次回のBLOGもご高覧くださいませ。

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