Rock

音楽を言葉にする難しさ

今日の11時過ぎ、サマソニからヘッドライナーがRHCPだとアナウンスされた。明日は日本からのヘッドライナーをアナウンスするとのこと。

RHCPが出演するという時点で、私は現地に行くつもりではあるが、どんなプレイを見せてくれるのか、ワクワクが止まらない。

あと半年以上はあるが、夏フェスもしっかりレポートにしたいと思っている。

 

 

さて、このウェブサイトを立ち上げてから、あと少しで半年となる。

弊社のBLOGカテゴリ「CULTURE」では音楽について、様々なことを書いてきた。

その中で、常に痛感しているのが「音楽を言葉にする難しさ」である。

 

 

音楽を伝えることの難しさ

そもそも「音楽」というものは

”音による芸術。音の長短・高低・強弱・音色などを組み合わせて肉声や楽器で演奏する。”

と解釈される。(出典:デジタル大辞泉)

 

このとおりに考えると、音楽は「言葉が含まれていても、言葉そのものではない」ということだ。

これは当然のことで、音楽を聴いて「詩だ」という人はいない。

 

しかし私の役割は、人々、特に若い人に洋服を装うことや、音楽を聴くことの愉しみを伝えることだ。

 

だが先述したように、音楽というもの、その概念は言葉そのものではないから、「言葉」だけで「なにが良いのか」「どこがかっこいいのか」を伝えることは不可能だ。

はっきり言って、一つのアルバムが作られたそのプロセスや社会情勢、そのバックグラウンドを伝えても究極は「聴かせる」ことでしか、その想いは伝わらない。

言葉で長々とその音楽の良し悪しを語ったところで、それはある程度の音楽的知能指数とバックグラウンドを持った人でないと理解できないはずだ。

ロック好きに「フロイドのTimeが…」と言っても伝わるが、あまり興味のない人に同じことを言ってもまったく伝わらないだろう。

 

 

 

よく行くロックバーの話

山梨の甲府にとあるロックバーがある。そのバーはビルが密集する路地裏にあり、レコードやCDが5000枚以上ある小さなバーだ。

ある時、このバーに行く機会がありお邪魔したが、そこで感じたものは「音楽に伴うリアリズム」だった。

音楽に伴う「リアリズム」というものは、つまり「現実」のようなもので、多くの人が忘れかけた、或いは知らないものだ。

 

そのバーでは日本ならば松任谷由実やサザン、山下達郎などのレコード世代を中心にし、世界中のロックやジャズが聴ける数少ないお店である。

そこに行くと、「この人が作ったんだ」というリアリズムを強く感じる。

 

例えば私がエアロスミスのロックスについて書き尽くしたこの記事(参照)より、このアルバムをレコードで聴いたほうが遥かに、音楽そのものを感じられる。

先ほども書いたように、その制作のプロセスを事細かに書くよりも、そのものを聴いたほうが遥かに高い現実と、繊細な音使いを感じる。

 

 

 

体験が人を創る

スマホによる革命によって、現代社会は遥かに便利になった。

しかしそれと同時に不便を楽しむことはどんどん忘れ去られていく。つまり多くの人が好むと好まざるにかかわらず「便利」を利用し、また求めている。

私はその「便利」を否定する気など一切ない。寧ろ普段の仕事で、「紙」でのやり取りを行わなければならない時などは、「なんて時代遅れな会社なのだろう」と思ったりもする。

 

だがYouTubeというプラットフォームで音楽を聴くことに慣れた人は、「作り手」をイメージするリアリズムを持っていない。

これは当たり前のことで、時代の流れというものだ。

 

しかし私はそこに強い違和感を感じる。

作り手は一つ一つの音に魂を込め、こだわりぬいて一つの曲を作る。(全てがそうではない)

歪んだギターの裏で鳴るベースのグルーヴや、シンガーの息遣いまで、こだわり抜いて真摯に時間をかけて制作している。

私はせめて、そうやって真剣に音楽を作ってきた/いる人々の「音」を感じるべきだと思う。

 

それがアーティスト側への敬意であって、音楽を「聴く」という行為なのだと思っている。

 

私もまだ23歳という超若造ではあるが、私と同じ世代だって、そうやって音楽を楽しむことが出来るはずだ。

 

これが実現できるのは「体験」でしかない。「経験」と言い換えてもいい。

そして私の役割は、そんな「体験」のできる「空間」を作り上げ、人に伝えていくことだ。

 

だからOMOTE TO URAは近いうちに現在決定していた業態(単なるセレクトショップ)を変え、新しいお店の形をスタートする。

近いうちに正式に発表したいと思う。

 

 

 

 


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