Rock

めちゃくちゃロックしているダーティ・ハニー

 

まだまだ知名度の低いバンドに、Dirty Honeyというバンドがいる。軒並みハードロックバンドが失速している中でもグレタ・ヴァン・フリートやザ・ストラッツが若手の急先鋒となりえ、縮小するHRを盛り上げている。

今回はHRバンドとして頭角をあらわしはじめたダーティ・ハニーについて書いていきたい。

 

 

①Zep経由のバンドはあるけれど

②「エアロ」経由のダーティ・ハニー

 

 

①Zep経由のバンドはあるけれど


メタルの先駆者がオジー・オズボーン率いるブラック・サバスだということに異論がある方は、そう多くないはずだ。一方、ハードロックの先駆者と言われれば、やはり現代に至るまでその影響力の大きさとメンバーそれぞれの圧倒的な才能を振りかざすLed Zeppelinだろう。

ツェッペリンというロック・バンドはやはり偉大で、彼らはハードロックを中心にしたバンドだけではなく、その他あらゆるジャンルにまで派生して影響を与えている。勿論、日本のロックバンドでも影響を与えられたミュージシャンはかなりの数いるだろう。

「ロックは終わった」「HRはもうダメ」などという声が聞こえてくる現代社会ではあるものの、じっくりシーンそのものを見ていくと、ツェッペリン経由のロックバンドというのは存在する。

それがGreta Van Fleetだ。

Greta Van Fleet(引用:https://tower.jp/より)

グレタは明らかにツェッペリンに影響を受け、ヴォーカルの声やその他の楽器隊に至るまで、ツェッペリンの片鱗を感じさせる。

 

一方クイーンを彷彿とさせるバンドにはThe Strutsが存在する。2020年の今年には来日が決まっており、昨年のサマーソニックでも圧巻のステージをみせてくれた。

The Struts(引用:https://www.summersonic.com/より)

ストラッツはシンガロング出来うるメロディの良さと、大きく分けるとグラム・ロック寄りのヴィジュアライズされた質感を感じさせる。つまりはZep、Queen経由のロックバンドは、2020において大きくとはいかないまでも、それなりに躍進していると言える。

 

 

 

②「エアロ」経由のダーティ・ハニー


一方で’70を代表するロックバンド、Aerosmith経由のバンドは少ないように思われる。というのも、既に多くのバンドがそこに憧憬を見出し、言葉は悪いが「スレた」状態が出来ているし、エアロの二番煎じでは売れないからだ。

しかしこれから紹介するダーティ・ハニーは明らかにエアロからの影響が強い。もちろんそのエアロスミスさえもツェッペリンから影響を受けていることは明白だが、彼らよりもよりブルース色がやや弱く、誤解を恐れずに言うと、エアロスミスよりも現代的なサウンド・メイクがなされている。

Dirty Honey(引用:https://www.downloadfestivaljapan.com/

ジョン・ボーナム(Zep)的なドラムスの「間(ま)」もあり、私が最近聞いたHRバンドでは最も聞いていて違和感を感じない。

「違和感を感じない」というのは、グレタを聴く場合はその裏にツェッペリンの存在がどうしてもちらつくが、このダーティ・ハニーはそのバック・ボーン以上にサウンドの「格好良さ」に焦点が当たりやすいということだ。

 

Dirty Honey

ダーティ・ハニーは2017年に結成されたロックバンドで、「新人」というカテゴライズをされることが多いバンドだ。2019年3月に自主制作盤『ダーティー・ハニー』をリリースし、シングル「When I’m Gone」をビルボード・メインストリーム・ロック・ソングス・チャートのトップにランクインさせた。事務所に所属していないアーティストで同チャートのトップを取ったのは初の快挙だ。

とのことだ。
(引用:https://www.downloadfestivaljapan.com/より)

基本的には音が分厚くて、隙間がないうえに、ギターが大きく歪んでいる。HRの特徴的な要素を保守した状態で、ソロの存在感も強く、言わばマイケル・シェンカーやゲイリー・ムーア的「泣き」のギターが優秀。vo.マークの声質もジョン・ボン・ジョヴィ(BON JOVI)やエリック・マーティン(Mr.Big)に近いものを感じる。

このレベルのアルバムを自主制作版で創りあげてしまうことに、驚きをおぼえる。アルバムというヴォリュームよりも、ミニ・アルバム的な長さのアルバムだが、全体のバランスもよく、バラードとロック・チューンの配置も絶妙だ。

https://music.apple.com/jp/album/dirty-honey-ep/1482163905

はじめて聴いた時から心奪われる、ハードでメロディアスなバンド、ダーティ・ハニー。今年にはダウンロードジャパンに加え、単独でのライブも決定している。是非、聴いてみてほしい。

 


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ワダアサト
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