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絶対に観るべき衝撃の邦画NO5

ハリーポッターとスターウォーズもいいかもしれない。しかし日本の映画も負けてなどいない。

今回はOMOTE TO URAが衝撃を受けた邦画を厳選してご紹介する。

 


①冷たい熱帯魚
②菊次郎の夏
③告白
④ポエトリーエンジェル
⑤葛城事件


 

 

冷たい熱帯魚 -ド正面からの衝撃-

まずはこちら。「ヒミズ」「地獄でなぜ悪い」などで知られる鬼才、園子温監督の作品。2011年に公開され、R18+指定を受けており、ここで紹介することがはばかれる作品だ。

“熱帯魚店を営んでいる社本(吹越満)とその妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日彼は、人当たりが良く面倒見の良い同業者の村田(でんでん)と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが実は村田こそが、周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気づいた時には、すでに遅く、取り返しのつかない状態に陥っていた。”

(出典:https://movies.yahoo.co.jp/movie/冷たい熱帯魚/336898/)

まず書いておきたいのは、邦画としての表現の可能性をぐっと広げたのがこの作品である、ということだ。観ている者を裏切り、裏切り、裏切り続ける最低の一本となっている。

近年、映画を含めた「カルチャー」というものは必ず
①希望
②夢
③光
の3つを軸にして制作されているものが多いような気がするが、この作品はそんな耳心地の良い、3つの軸に徹底的に「NO!」を突き付け、圧倒的なまでの闇を描き切っている。

とにかく儲けることだけを重視した映画が、この日本にも大量にある。むしろそういった流れが世の中の中心になっている。そんな気持ちの悪い「イズム」に一石どころか五石くらい投じた記憶に残る圧倒的な傑作だ。

観るときは心して観てほしい。

 

 

 

②菊次郎の夏 -海・空の青さが印象的-

続いてはこちら。今や「世界のキタノ」と呼ばれるようになった、北野武監督の作品。1999年公開。

“小学三年生の少年・正男は、学校で友達ができないままひとりぼっちだった。家には祖母がいるが、母親は遠くにいると聞かされているだけで、写真でしか見たことがなかった。夏休み、正男は貯金を抱えて家を飛び出す。母に会いに行くためだった。それを見た近所のおばさんは心配して、毎日ブラブラしている自分の夫を子守りに同行させる。こうして無職の中年男(ビートたけし)と、ひとりぼっちの少年の奇妙な旅が始まった。”(出典:https://movies.yahoo.co.jp/movie/菊次郎の夏/159465/)

淡々としたみずみずしさ、希薄な美しさ、日本映画の真骨頂をここに見た気がする。「人」という生き物が簡単で単純な数式に当てはまらないことを、この映画は教えてくれる。

観ている人と北野武では生い立ちも環境も財産も性格も違うと思うが、それらすべての人に等しく夏を共有させる。

正男(少年)を通して菊次郎(ビートたけし)が夏に帰ったように、観ている人は菊次郎を通して、あの頃の戻れない淡い夏に帰る。久石譲のSummerという曲も、確かに夏でありながら、一抹の寂しさをのぞかせる。

 

 

③告白 -賛否両論のヒット作-

「嫌われ松子の一生」「渇き」などで知られる中島哲也監督の作品。湊かなえの原作同名小説を映画化したもの。

“とある中学校の1B組、終業後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任(松たか子)が静かに語りだす。「わたしはシングルマザーです。私の娘は死にました。(中略)でも事故死ではありません。娘はこのクラスの生徒に殺されたんです」一瞬にして静まりかえる教室。この衝撃的な告白から物語は幕を開けた。”(出典:http://eigaconsultant.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-a7fc.html)

簡単にストーリーを説明すると、「娘を殺された母親(教師)の復讐劇」といったところだ。副題にも入れたが、賛否両論が渦巻いている映画の一つでもある。

〈賛〉「これはアート性に富んだ圧縮表現的手法」

〈否〉「これはただのCMでしょ」

派の対立構造となっている。

この映画の特筆すべきポイントは、「何も感じない」という一点に集約される。つまり簡単に言うと

・社会的な問題提起
・命とはなにか
・今の風刺

などが一切ない映画であるということだ。そういう意味での「衝撃」を受けた作品はこの「告白」だった。この作品は「リアルから完全に逸脱した虚構」を描いてきたものである。

”バックで流れるRadioheadの音楽にマッチした映像的美の表現” とするならば、ある意味で新しく、衝撃的な映画の一つだろう。

 

 

④ポエトリーエンジェル -伝えるって難しい-

監督は新進気鋭の飯塚俊光監督。秋田県で開催されている「田辺・弁慶映画祭」を記念して製作された作品。

“妄想ばかりしている青年、玉置勉(岡山天音)は実家の梅農家を渋々手伝っていた。ある時ふとしたことから「詩のボクシング」教室に通うことになり、様々な人と出会う。そんな詩のボクシングのメンバー達が力試しに高校生のチームと強化試合をすることになるが、自分たちの詩に足りないものはなにか、を模索し始めると各メンバーに秘密があることが明らかに。そして女子高校生(武田玲奈)も加入。しかし彼女にもまた知られたくない秘密があった”

(出典:https://eiga.com/movie/85381/)

うまく生きられないことに対して、不満や不安を抱えている人は多い。その気持ちに対し、半ば強制的にそれを払拭するのではなく、柔らかく取り払う美しい映画だ。全体的に爽やかでポップな印象がありながらも、いわゆる青春映画とは一線を画す。

若い人々の言葉にできないもがきと、そこから再び歩き出す姿は美しく見える。

 

 

⑤葛城事件 -最悪だが最高。至高の一本-

赤堀雅秋監督作品。2016年公開の作品で、赤堀監督としては2012年以来、4年ぶりの新作。

“親が残した金物屋を引き継いだ清(三浦友和)は、美しい妻(南果歩)との間に二人の子供が生まれ、念願のマイホームを建てた。思い描いた理想の家庭を作れたはずだった。しかし清の思いの強さは、気づかぬうちに家族を抑圧的に支配するようになる。清に言動を抑圧され、思考停止のまま過ごしていた妻の伸子は、ある日、清への不満が爆発し、家出を決める。そして迎えた家族の修羅場。葛城家は一気に崩壊へと向かっていく。”

(出典:https://eiga.com/movie/83276/photo/)

父親(三浦友和)が事件を起こしたわけではないのに、家族を手に入れることができなかった。一体どこのどいつが「悪」で、どこから綻びが生じていったのかすら分からない。それによって、この映画特有の気持ち悪さを生み出している。

日本のどこを探しても必ず存在する一般的な「葛城家」のような家庭。優しさと抑圧は対極にあるようで、実は紙一重なのだ。この家族の歪みは、少しだけ方向を変えることで、普通の家庭に変化するのだと思う。

「後味が悪い」「希望がない」映画ではありますが、絶望と失意のどん底を見せつけることで「希望」そのものの持つ尊さ、美しさをピックアップした逆説的な名作だ。

 

 

 

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